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愈々
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いよ/\
ふりがな文庫
“
愈々
(
いよ/\
)” の例文
勝平の態度には、
愈々
(
いよ/\
)
乱酔の
萌
(
きざし
)
が見えてゐた。彼の眸は、怪しい輝きを帯び、狂人か何かのやうに瑠璃子をジロ/\と見詰めてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「さあ、
愈々
(
いよ/\
)
出世の
手蔓
(
てづる
)
が出来かかつたぞ。
明日
(
あす
)
は一つあの殿様のお顔を、
舶来
(
はくらい
)
石鹸
(
しやぼん
)
のやうにつるつるに剃り上げて呉れるんだな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
默
(
だま
)
れ!
甥
(
をひ
)
の
癖
(
くせ
)
に
伯父樣
(
をぢさま
)
の
妾
(
めかけ
)
を
狙
(
ねら
)
ふ。
愈々
(
いよ/\
)
以
(
もつ
)
て
不埒
(
ふらち
)
な
奴
(
やつ
)
だ。なめくぢを
煎
(
せん
)
じて
飮
(
の
)
まして、
追放
(
おつぱな
)
さうと
思
(
おも
)
うたが、
然
(
さ
)
う
聞
(
き
)
いては
許
(
ゆる
)
さぬわ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
相觸
(
あひふれ
)
らる此度は玄關迄伊豆守殿初め御役人殘らず見送りなればいとゞ
威光
(
ゐくわう
)
は
彌増
(
いやまし
)
たり是にて
愈々
(
いよ/\
)
謀計
(
ぼうけい
)
成就
(
じやうじゆ
)
せりと一同
安堵
(
あんど
)
の思ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
やがて紳士はその墓と館の址とを残して永久に立去つた昔の城主の遠孫であることを村長に話した。村長は
愈々
(
いよ/\
)
辞を低うした。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
答
(
こた
)
へられたが
愛
(
あい
)
ちやんには
愈々
(
いよ/\
)
合點
(
がてん
)
がゆかず、
福鼠
(
ふくねずみ
)
の
饒舌
(
しやべ
)
るがまゝに
委
(
まか
)
せて、
少時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
敢
(
あへ
)
て
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れやうともしませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
山田「然ういう訳にはいかんよ、大夫から確と頼まれてるんだから、
愈々
(
いよ/\
)
買うと云って金子を渡せば、ナカゴは見られるのだ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
工場へ入つて
愈々
(
いよ/\
)
働くことになるまでには随分めんだうな手数を
喰
(
く
)
はされるのだ。二月や三月は居喰ひで過さねばなるまい。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
彼れの
言条
(
いいじょう
)
は
愈々
(
いよ/\
)
出
(
いで
)
て愈々明白なり、
流石
(
さすが
)
の目科も絶望し、今まで熱心に握み居たる此事件も殆ど見限りて捨んかと思い初めし様子なりしが
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
再
(
さい
)
三
再
(
さい
)
四
自分
(
じぶん
)
で
研究
(
けんきう
)
して
熟考
(
じゆくかう
)
して
來
(
き
)
た
上
(
うへ
)
で
愈々
(
いよ/\
)
解
(
わか
)
らねば
其時
(
そのとき
)
始
(
はじ
)
めて
其
(
そ
)
の
理由
(
りいう
)
を
説明
(
せつめい
)
して
聞
(
き
)
かす
位
(
くらゐ
)
にして
置
(
お
)
くのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
彼は由井と川原との会話を聞き乍ら、
只管
(
ひたすら
)
自分が跳躍すべき機を待つてゐる。劇は高潮に達した。
而
(
そ
)
して
愈々
(
いよ/\
)
彼の活躍すべきキツカケとなつた。
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
容易ならぬことの一語に、
危殆
(
きたい
)
の念
愈々
(
いよ/\
)
高まれる大和は、
躊躇
(
ちうちよ
)
する梅子の様子に、
必定
(
ひつぢやう
)
何等の秘密あらんと覚りつ、篠田を
一瞥
(
いちべつ
)
して起たんとす
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
仙台にゐて
之
(
これ
)
を行つた首脳は渡辺金兵衛で、寛文三年頃から目附の地位にゐて権勢を
弄
(
ろう
)
しはじめ、四年に
小姓頭
(
こしやうがしら
)
になつてから、
愈々
(
いよ/\
)
専横を極めた。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
愈々
(
いよ/\
)
何日
(
いつ
)
と
決定
(
きま
)
つた?」と女の顏を
熟
(
ぢつ
)
と見ながら訊ねた。女は十九か二十の年頃、色青ざめて
左
(
さ
)
も力なげなる樣は病人ではないかと僕の疑つた位。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
幾ら考へたツてもう
血迷
(
ちまよ
)
ツてゐるのだから、
確
(
たしか
)
な事が考へられる筈が無い。自分は
愈々
(
いよ/\
)
解らない道へ踏込むで了ツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
さてはと
愈々
(
いよ/\
)
心して
欄間
(
らんま
)
の五百羅漢像をかへり見るに、これ亦一つとして仏像に非ず。十二使徒の姿に紛れも無し。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
愈々
(
いよ/\
)
その日、荷作りしてゐると、十七になる弟さんが、外に帽子をかぶつて廻つてゐる。前橋の公会堂まで講演を聴きに出るから、送つて行かうと云ふ。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
こんな考に
耽
(
ふけ
)
りながら私は
多時
(
しばし
)
立ち尽した。野薔薇の小さな白い花の幾つかが星の光に
愈々
(
いよ/\
)
鮮やかに浮いて出た。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
面白
(
おもしろ
)
げなる
顔色
(
がんしよく
)
の
千番
(
せんばん
)
に一番
捜
(
さが
)
すにも
兼合
(
かねあひ
)
と
申
(
もう
)
すやらの
始末
(
しまつ
)
なりしに
候
(
そろ
)
度々
(
たび/″\
)
の
実験
(
じつけん
)
なれば
理窟
(
りくつ
)
は
申
(
まう
)
さず、今も
然
(
しか
)
なるべくと
存候
(
ぞんじそろ
)
愈々
(
いよ/\
)
益々
(
ます/\
)
然
(
しか
)
なるべくと
存候
(
ぞんじそろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
愈々
(
いよ/\
)
かうなつてみねば多少の心配もあつたので、
殊
(
こと
)
に第四男の文夫の事に
就
(
つ
)
いては、これでこそどうやらあの子の出世の道もそろ/\開かれたと云ふものだ。
夢
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
さりながら
論語
(
ろんご
)
に
唾
(
つ
)
を
吐
(
は
)
きて
梅暦
(
むめごよみ
)
を
六韜三略
(
りくとうさんりやく
)
とする
当世
(
たうせい
)
の
若檀那
(
わかだんな
)
気質
(
かたぎ
)
は
其
(
そ
)
れとは
反対
(
うらはら
)
にて
愈々
(
いよ/\
)
頼
(
たの
)
もしからず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
もし
愈々
(
いよ/\
)
死なむとならば独り行きても
宜
(
よ
)
からずやと言へば、ひとりにては寂しき路を通ひがたしと言ふ。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
這麼事
(
こんなこと
)
を
恐
(
おそ
)
れるのは
精神病
(
せいしんびやう
)
に
相違
(
さうゐ
)
なき
事
(
こと
)
、と、
彼
(
かれ
)
も
自
(
みづか
)
ら
思
(
おも
)
ふて
是
(
こゝ
)
に
至
(
いた
)
らぬのでも
無
(
な
)
いが、
偖
(
さて
)
又
(
また
)
考
(
かんが
)
へれば
考
(
かんが
)
ふる
程
(
ほど
)
迷
(
まよ
)
つて、
心中
(
しんちゆう
)
は
愈々
(
いよ/\
)
苦悶
(
くもん
)
と、
恐怖
(
きようふ
)
とに
壓
(
あつ
)
しられる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
昔から
釘附
(
くぎつけ
)
に為てあると計り思つて居た内陣と本堂との
区劃
(
しきり
)
の戸を開けると云ふ事は、
少
(
すくな
)
からず小供の
好奇
(
かうき
)
の心を躍らせたが、
愈々
(
いよ/\
)
左から三枚目の戸に手を掛ける
瞬間
(
しゆんかん
)
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
『こいつは
愈々
(
いよ/\
)
面白
(
おもしろ
)
くなつて
來
(
き
)
た。』と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
突如
(
いきなり
)
少年
(
せうねん
)
を
抱上
(
いだきあ
)
げた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其時分幕府の基礎が
大分
(
だいぶ
)
怪しくなつて來たので、木城氏や小栗氏の考へでは、遠からぬ
中
(
うち
)
に江戸と京都と干戈
相見
(
あいま
)
みゆる時が來るであらう、
愈々
(
いよ/\
)
然
(
さ
)
うなつたら
仙臺
(
せんだい
)
、
會津
(
あいづ
)
庄内
(
しようない
)
と東北の同盟を結んで
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
『
愈々
(
いよ/\
)
沈
(
しづ
)
まつしやつたゞ、
南無阿弥陀仏
(
なむあみだぶつ
)
。』
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ガラツ八には
愈々
(
いよ/\
)
以つて解りません。
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さるほどに、
山
(
やま
)
又
(
また
)
山
(
やま
)
、
上
(
のぼ
)
れば
峰
(
みね
)
は
益
(
ます/\
)
累
(
かさな
)
り、
頂
(
いたゞき
)
は
愈々
(
いよ/\
)
聳
(
そび
)
えて、
見渡
(
みわた
)
せば、
見渡
(
みわた
)
せば、
此處
(
こゝ
)
ばかり
日
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
を、
雪
(
ゆき
)
が
封
(
ふう
)
ずる
光景
(
ありさま
)
かな。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
頻
(
しき
)
り世間を騒がせた結婚沙汰が
取
(
と
)
り
極
(
き
)
められて、
愈々
(
いよ/\
)
名妓八千代が
菅家
(
すがけ
)
へ
輿入
(
こしいれ
)
のその当日、花婿の
楯彦
(
たてひこ
)
氏は恥かしさうに一寸鏡を見ると
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
愈々
(
いよ/\
)
証文が極って、此の三月の宵節句と節句の二日の内に突出して、五
町
(
ちょう
)
を廻らなければならんので心配致して居りまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
差
(
さし
)
て送らせける其後
種々
(
しゆ/″\
)
樣々
(
さま/″\
)
吟味有けるに先の申
立
(
たて
)
と相違も無きこと故
是
(
これ
)
より大惡の
本人
(
ほんにん
)
たる重四郎の段右衞門と
愈々
(
いよ/\
)
突合
(
つきあは
)
せ吟味とこそは
極
(
きはま
)
りけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僕は毎朝買つて見て居るんです——九州炭山の坑夫間に
愈々
(
いよ/\
)
同盟が出来上がらんとして、会社の方で鎮圧策に
狼狽
(
らうばい
)
してると云ふ通信が
載
(
の
)
つてたのです
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
お
絹
(
きぬ
)
の
話
(
はなし
)
が
出
(
で
)
て、お
絹
(
きぬ
)
は
愈々
(
いよ/\
)
小田原
(
をだはら
)
に
嫁
(
よめ
)
にゆくことに
定
(
き
)
まつた一
條
(
でう
)
を
聞
(
き
)
かされた
時
(
とき
)
の
僕
(
ぼく
)
の
心持
(
こゝろもち
)
、
僕
(
ぼく
)
の
運命
(
うんめい
)
が
定
(
さだま
)
つたやうで、
今更
(
いまさら
)
何
(
なん
)
とも
言
(
い
)
へぬ
不快
(
ふくわい
)
でならなかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
上さんの胸は
愈々
(
いよ/\
)
躍
(
をど
)
つた。何より先に、車をさがした。そしてそこから一里位しかない村へと志した。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
日本語
許
(
ばかり
)
を使つて居た世界から
愈々
(
いよ/\
)
別れるのであると思ふと横浜を離れる時よりも淋しかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
若
(
も
)
し
盗坊
(
どろぼう
)
ならば知らぬ事、老人を殺した奴が何一品盗まずに立去たと云う所を見れば盗坊で有りません
愈々
(
いよ/\
)
藻西に限ります藻西の外に其様な事をする者の有う筈が有ません
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
其中に
愈々
(
いよ/\
)
初日は来た。
而
(
そ
)
して
丁数
(
ちやうすう
)
は進んで彼が虎となつて現はるべき三幕目となつた。彼は笑い顔一つせずに虎の縫ぐるみを着て、知らせの木と共に球江邸の
露台
(
バルコニー
)
上
(
うへ
)
に横たはつた。
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
お忘れになつてゐるとすれば、僕は
愈々
(
いよ/\
)
感謝しなければならぬ必要があるのです。お忘れになりましたですか。来る道で僕があんなに自動車に乗ることを厭がつたのを。はゝゝゝゝゝ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
固
(
もと
)
より
星光
(
ほしあかり
)
だから
能
(
よ
)
くは
解
(
わか
)
らぬが、
後
(
うしろ
)
の方へ振向いて見ても、
矢張
(
やつぱり
)
黒い山影が見える。自分は
愈々
(
いよ/\
)
弱ツて
了
(
しま
)
ツた、先へ進むで
可
(
い
)
いのか、
後
(
あと
)
へ引返して
可
(
い
)
いのか、それすら
解
(
わか
)
らなくなツて了ツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
酔「くどい、見れば立派なお侍、
御直参
(
ごじきさん
)
か
何
(
いず
)
れの
御藩中
(
ごはんちゅう
)
かは知らないが
尾羽
(
おは
)
打枯
(
うちか
)
らした浪人と
侮
(
あなど
)
り失礼至極、
愈々
(
いよ/\
)
勘弁がならなければどうする」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
愈々
(
いよ/\
)
あけすけに申し上げますから御免下さい。貴方はそれをお聞きになると、屹度顫へ上つておしまひになります。……
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
遂
(
つひ
)
に
件
(
くだん
)
の
甕
(
かめ
)
に
騎
(
の
)
りて、もこ/\と
天上
(
てんじやう
)
す。
令史
(
れいし
)
敢
(
あへ
)
て
動
(
うご
)
かず、
昇
(
のぼ
)
ること
漂々
(
へう/\
)
として
愈々
(
いよ/\
)
高
(
たか
)
く、やがて、
高山
(
かうざん
)
の
頂
(
いたゞき
)
一
(
いつ
)
の
蔚然
(
うつぜん
)
たる
林
(
はやし
)
の
間
(
あひだ
)
に
至
(
いた
)
る。こゝに
翠帳
(
すゐちやう
)
あり。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
待内に
愈々
(
いよ/\
)
雨は
小止
(
こやみ
)
なく
早
(
はや
)
耳先へ
響
(
ひゞ
)
くのは市ヶ谷八
幡
(
まん
)
の
丑時
(
やつ
)
の
鐘
(
かね
)
時刻
(
じこく
)
はよしと長庵はむつくと起て弟の十兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
日露両国の間、風雲
転
(
うた
)
た急を告ぐるに連れて、梅子の頭上には結婚の回答を
促
(
うな
)
がすの声、
愈々
(
いよ/\
)
切迫し来れり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
宿の子のまめ/\しきが先に立ちて、明くれば九月二十六日朝の九時、
愈々
(
いよ/\
)
空知川の岸へと出発した。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
猶
(
な
)
お其外の事柄を
能
(
よ
)
く調て
愈々
(
いよ/\
)
お前に相違ないと見込が附けば其時初めて罪に落す
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
ところが、熊襲は、天皇が、大和へお帰りになると、また忽ち、蠢動し始め、横暴
愈々
(
いよ/\
)
つのつたので、二十七年八月、天皇は、御子日本武尊をお遣はしになつて、これを征伐させ給うた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
世間の罪悪が此頃では
愈々
(
いよ/\
)
深くかれの体に
纏
(
まつは
)
り着いて来た。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『
愈々
(
いよ/\
)
初めの決心通り背水の陣だね。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
愈
漢検準1級
部首:⼼
13画
々
3画
“愈々”で始まる語句
愈々益々