“いよいよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イヨイヨ
語句割合
愈々52.4%
29.8%
愈〻9.2%
弥々3.4%
2.9%
弥〻0.9%
弥弥0.3%
愈愈0.3%
断然0.3%
決然0.3%
(他:1)0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愈々いよいよしんにつく時が来た。藤次郎は予定通り短刀を要之助の目の前で戸棚にしまった。あとはもうねるばかりである。
夢の殺人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
この雰囲気は、村山知義の「白夜」によって先頭をきられた一系列の作家の作品の出現によって愈々いよいよ暗鬱なものとなった。
昭和の十四年間 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
鸚鵡おうむが人のいうことを真似るように、こんな事をいうようでは、岡村もいよいよ駄目だなと、予は腹の中で考えながら、
浜菊 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
悪い事をした、窓からなんぞ覗くんじゃなかったと、閉口している所へ下女が呼びに来て、いよいよ閉口したが、仕方がない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それから第二期の——大坂落城と世間の趨勢すうせいを見ては、愈〻いよいよ彼自身の向う道も、胸底に決していたに違いない。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京を立つ朝、馬には乗った事もないから恐いなどと云っていた事を考え合せると、愈〻いよいよもって、この豹の子は油断がならない。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十九世紀で暴威を逞くした思索の奴隷になっていたんで、それを弥々いよいよ脱却する機会に近づいているらしく見える。
私は懐疑派だ (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
哲也の思いは弥々いよいよ増した。とうとう我慢し切れなくなって父親の鉄平に「是非音絵を貰って下さい」とせがんだ。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
ただ飛来とびく弾丸たまに向い工合ぐあい、それのみを気にして、さて乗出のりだしていよいよ弾丸たまの的となったのだ。
これからのちは、これがいよいよ筆端に纏繞てんじょうして、いとうべき拘束を加えようとするであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかるに、磯山は、弥〻いよいよ出立というその前日逃奔とうほんし、更にその潜所せんしょを知るあたわず。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
郷里の歓迎上都合もある事とて、それぞれきほどにて引き別るることとなり、妾も弥〻いよいよ明日岡山へ向け出立というその夜なりき、重井より
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「貴方、弥弥いよいよお別れですわ。」と女はしみじみした調子で云つた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
そのあくる日、私たちは愈愈いよいよあこがれのエルサレムに向い、出発いたしました。
駈込み訴え (新字新仮名) / 太宰治(著)
「それぢや断然いよいよお前は嫁く気だね! これまでに僕が言つても聴いてくれんのだね。ちええ、はらわたの腐つた女! 姦婦かんぷ‼」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あひをしませうかね。何は無くともこんな好い心持の時にいただくとおいしいものですね。いいえ、さう続けてはとても……まあ、貴方あなた。おやおやもう七時廻つたんですよ。そんなら断然いよいよ今晩は来ないときまりましたね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と申すのには、少し又仔細しさいが御座いますので。それは、主人の家内のめひに当ります者が、内に引取つて御座いまして、これを私にめあはせやうと云ふ意衷つもりで、前々ぜんぜんからその話は有りましたので御座いますが、どうも私は気が向きませんもので、何と就かずに段々言延いひのばして御座いましたのを、決然いよいよどうかと云ふ手詰てづめはなし相成あひなりましたので。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
是に於いて、皇太子た使者を返し、其の衣を取らしめ、常のごとたまふ。時の人大にあやしみて曰く、聖の聖を知ること、其れまことなる哉。いよいよかしこまる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)