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愈
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い
ふりがな文庫
“
愈
(
い
)” の例文
その
愈
(
い
)
やす事の出来ない、窮極のない係恋の盃に唇を当てた事のある流浪人が、どんな感じをするかといふのは、想像し易い事ではないか。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
少しく
安堵
(
あんど
)
の思ひをなし、忍び忍びに里方へ出でて、それとなく様子をさぐれば、その
痍
(
きず
)
意外
(
おもいのほか
)
重くして、日を
経
(
ふ
)
れども
愈
(
い
)
えず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
建設し個人の恋愛の標準が高めらるゝに従ひ社会全般は
愈
(
い
)
よ向上せしめらるゝであらうと云ふ結論に吾人は達するのである。
恋愛と道徳
(新字旧仮名)
/
エレン・ケイ
(著)
蘭軒は二十三日に至つて病
愈
(
い
)
え事を視ることを得た。「私儀足痛全快仕候に付、薬湯中には御座候得共、明廿三日より出勤仕候段御達申上候。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は堅実の一学生、学成りて躰
茲
(
こゝ
)
に弱し、病を得て数月未だ
愈
(
い
)
ゆるに及ばず、
痩癈
(
そうはい
)
せば遂に
如何
(
いかん
)
。われ尤も之を憶ふ。
客居偶録
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
時に洞窟の上開いて霊光射下り諸鬼皆
瘖
(
おし
)
となり、尊者の
創
(
きず
)
ことごとく
愈
(
い
)
えて洞天また閉じ合うたという。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
第四 冬寒支体
僵瘃
(
きょうちょく
)
ノ病 雪塊ヲ取テ患部ニ
擦搽
(
さった
)
スレバ即チ
愈
(
い
)
ユ 又臘雪水甘クシテ大寒 天行
時
(
じ
)
疫
(
えき
)
ヲ解シ一切ノ
瘡毒
(
そうどく
)
ヲ療ス ソノ他諸病ニ於テ
必
(
かならず
)
須
(
ま
)
ツ所ニシテ医家欠クベカラズ
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
われ遠慮せで猶太少女の事を語り出でしに、友は唯だ高く笑ひぬ。その胸の内なる
痍
(
きず
)
は早くも
愈
(
い
)
えて跡なきに至りしものなるべし。友のいはく。われはその後聲めでたき小鳥を捕へたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
父の病少しく
愈
(
い
)
ゆるを以て京に還る、襄が賢妻小石氏を
娶
(
めと
)
りしは蓋し此前後に在り。此年除夜の詩に曰く為
レ
客京城五餞
レ
年、雪声燈影両依然、爺嬢白髪応
レ
添
レ
白、説
二
看吾儂
一
共不
レ
眠と。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
興義これより病
愈
(
い
)
えて、
杳
(
はるか
)
の後
八三
天年
(
よはひ
)
をもて
死
(
まか
)
りける。其の
終焉
(
をはり
)
に臨みて、
画
(
ゑが
)
く所の鯉魚
数枚
(
すまい
)
をとりて
湖
(
うみ
)
に
散
(
ちら
)
せば、画ける魚
八四
紙繭
(
しけん
)
をはなれて水に
遊戯
(
いうげ
)
す。ここをもて興義が絵世に伝はらず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
それが
今日
(
こんにち
)
の貫一と宮との間に
如何
(
いか
)
なる影響を与へるのだ。悔悟したからあれの
操
(
みさを
)
の
疵
(
きず
)
が
愈
(
い
)
えて、又赦したから、富山の事が無い昔に成るのか。その点に
於
(
おい
)
ては、貫一は飽くまでも十年前の貫一だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
只棠軒の妻柏が一たび病んで後
愈
(
い
)
えたこと(一月二十六日)、江木鰐水が棠軒を訪ひ(一月五日)、又棠軒が江木氏を
過
(
よぎ
)
つたこと(一月十日)
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼女は是より精神病院に送られしが、数月の後に、病全く
愈
(
い
)
えて、その
夫
(
つま
)
の家に帰りけれど、夫妻とも、元の家には住まず、いづれへか移りて、噂のみはこのあたりにのこりけるとぞ。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
七歳の時
病
(
やまい
)
甚だし、たちまち口を張りて服薬する状のごとくして曰く、道士あり、犬を牽き薬を以て我に飼う、俄に汗して
愈
(
い
)
ゆと、因って像を書いてこれを祀ると(『
琅琊代酔編
(
ろうやだいすいへん
)
』五)
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
想ふに藤陰の病は既に
愈
(
い
)
えてゐたのであらう。以下関藤氏との往反は故あるにあらざる限は復抄せぬこととする。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
自ら
睹
(
み
)
た所を記していわく、この鐘に大なる
𤿎裂
(
ひびわれ
)
あり、十年ばかりも以前に、その裂目へ扇子入りたり、その後ようやくして、今は
毫毛
(
ごうもう
)
も入らず、
愈
(
い
)
えて𤿎裂なし、破鐘を
護
(
まも
)
る野僧の言わく
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
愈
漢検準1級
部首:⼼
13画
“愈”を含む語句
愈々
愈〻
腹愈
韓愈
愈太刀
愈益
愈氏
愈末期
愈更
愈曲園
愈愚
愈愈
愈御酒
偖愈
愈以
愈〻道
愈〻甚
愈〻新
愈々益々
半愈
...