前々ぜんぜん)” の例文
てまいはただ目が暗んでしまいましたが、前々ぜんぜんより、ふとお見上げ申したものの言うのでは、桔梗の池のお姿は、まゆをおとしていらっしゃりまするそうで……
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主人の家内のめひに当ります者が、内に引取つて御座いまして、これを私にめあはせやうと云ふ意衷つもりで、前々ぜんぜんからその話は有りましたので御座いますが、どうも私は気が向きませんもので
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)