瑤々ようよう)” の例文
新字:瑶々
献帝は、玉歩ぎょくほを運んで宣平門へ上がった。血に酔って、いていた城下の狂軍は、禁門の楼台に瑤々ようようかざされた天子の黄蓋こうがいにやがて気づいて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白きは浪裏白跳の張順の四か。黒きはさすが弱りぬいた李逵りきのもがきか。瑤々ようようたる波騒なみざいのかすかに立つところ、見ゆるが如くまた見えぬようでもある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瑤々ようようれんをゆるがしてゆく貴人のくるまがある。夕風のなかを美しい魚のように歩く美女の群がある。小薙刀こなぎなたを小脇に左の手に数珠じゅずを持って織屋はたやの門に立ちのぞいている尼さんがある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)