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瀟洒
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さっぱり
ふりがな文庫
“
瀟洒
(
さっぱり
)” の例文
大きな
卓
(
つくえ
)
を真中にして、お新も
瀟洒
(
さっぱり
)
とした浴衣のまま
寛
(
くつろ
)
いだ。山本が勧める巻煙草を、彼女は人差指と中指の間に
挿
(
はさ
)
んで、旅に来たらしく吸った。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
左へ曲ると
瀟洒
(
さっぱり
)
とした西洋間、そこに案内されて、
暫
(
しば
)
らくお茶と
煙草
(
たばこ
)
と雑談に興じた五人の客は、やがて
屏風開
(
びょうぶびら
)
きになった境の扉を開けて、隣の食堂に案内されました。
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吾輩の家の裏に十坪ばかりの
茶園
(
ちゃえん
)
がある。広くはないが
瀟洒
(
さっぱり
)
とした心持ち好く日の
当
(
あた
)
る所だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何処
(
どこ
)
ぞへ出かけるところと覚しく、茶色の
中折
(
なかおれ
)
をかぶり、細巻の傘を持ち、
瀟洒
(
さっぱり
)
した洋装をして居た。彼は驚いた様な顔をして居る故人を
片隅
(
かたすみ
)
に引のけて、二分間の立話をした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
C——橋の
袂
(
たもと
)
へ来ると池上は俯向いて待っていました。こう改まって、外でこの若旦那に会うと、まるで別の人のような感じが致します。少し
撫肩
(
なでがた
)
で、大柄の身体に
瀟洒
(
さっぱり
)
とした背広をつけている。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
その日の正太は元気で、夏羽織なぞも新しい
瀟洒
(
さっぱり
)
としたものを着ていた。「今にウンと一つ働いて見せるぞ」と彼の男らしい、どこか
苦味
(
にがみ
)
を帯びた眼付が言った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
都の紅葉館は知らぬが、此紅葉館は大沼に
臨
(
のぞ
)
み、駒が岳に面し、名の如く無数の紅葉樹に囲まれて、
瀟洒
(
さっぱり
)
とした紅葉館である。殊に夏の季節も過ぎて、今は宿もひっそりして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
瀟
漢検1級
部首:⽔
19画
洒
漢検1級
部首:⽔
9画
“瀟”で始まる語句
瀟々
瀟灑
瀟湘
瀟然
瀟麗
瀟湘亭
瀟湘夜雨