)” の例文
台がうるしで塗ってある。竹は細くけずった上に、色がけてある。それで三円だと云う。安いなあ豊隆と云っている。豊隆はうん安いと云っている。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
赤いのは上へ乗っけて又其の上へ乗っけては赤いのがくからいかねえとか、種々いろ/\な事を云う奴があるので、それが種になって段々お癪になったのだから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
白く降埋ふりうずんだ往来には、人や馬の通るあと一条ひとすじ赤くいている——その泥交どろまじりの雪道を、おつぎさんの凍った身体は藁蓆むしろの上に載せられて、巡査小吏やくにんなぞに取囲まれて、静に担がれて行きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)