“藁蓆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わらむしろ75.0%
むしろ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野戦病院となった料理場の蒲団ふとん藁蓆わらむしろの上には、五人の重傷者がいたが、そのうちふたりは市民兵だった。市民兵は第一に手当を受けたのである。
牀といふは卓の一端の地上に敷ける藁蓆わらむしろなり。その男は何やらん一座のものに言置き、「ヂツセンチイ、オオ、ミア、ベツチイナ」(り來よ、やよ、我戀人)と俚歌ひなうた口ずさみて出行きぬ。
白く降埋ふりうずんだ往来には、人や馬の通るあと一条ひとすじ赤くいている——その泥交どろまじりの雪道を、おつぎさんの凍った身体は藁蓆むしろの上に載せられて、巡査小吏やくにんなぞに取囲まれて、静に担がれて行きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)