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染
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そみ
見廻せば
片邊に女の
倒れ居て
朱に
染息も絶たる
樣子なりとて憑司は
礑と手を打是と云も元は傳吉から
起たこと然らば此
死骸へ昌次郎お梅が
着類を
彼のやうに
思しめして
御苦勞なき
身の
御苦勞やら
我身新參の
勝手も
知らずお
手もと
用のみ
勤めれば
出入のお
人多くも
見知らず
想像には
此人かと
見ゆるも
無けれど
好みは
人の
心々何がお
氣に
染しやら
云はで
思ふは
山吹の
下ゆく
水のわき
返りて
胸ぐるしさも
嘸なるべしお
愼み
深さは
覺し給ふに
合點行ずと無理にこぢ
明て
這入見れば
這は如何に隱居は
無慚にも夜具の中に
突殺され
朱に
染て死したればアツとばかりに打驚き
惘れ果てぞ居たりける
窺ふに是も
靜なれど
昨日駕籠屋善六に頼まれし
若き女なればと
案じて座敷へ入り見れば
無慚や
朱に
染て死しゐたり扨こそ
彼侍が女を殺して
立退しと
俄かに上を下へと
騷動し
追人を