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染
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ぞめ
ふりがな文庫
“
染
(
ぞめ
)” の例文
帯の掛けを抜いて引き出したので、薄い
金紗
(
きんしゃ
)
の
袷
(
あわせ
)
は
捻
(
ねじ
)
れながら肩先から滑り落ちて、だんだら
染
(
ぞめ
)
の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
の胸もはだけた
艶
(
なまめか
)
しさ。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
紅白
段
(
だん
)
だら
染
(
ぞめ
)
の肉襦袢や、肉色の肉襦袢や、
或
(
あるい
)
は半裸体の男女が、
互
(
たがい
)
に手を組み
膝
(
ひざ
)
を合せて、ゲラゲラ笑いながら見物していた。誰もこの残酷な遊戯を
止
(
と
)
めようとはしなかった。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
岸へ
漕
(
こ
)
ぎ寄せて、
枳殼垣
(
からたちがき
)
へ引つ掛けたのを見ると、
紛
(
まぎ
)
れもなくそれは、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
扱帶
(
しごき
)
で、斑々として
絞
(
しぼ
)
り
染
(
ぞめ
)
のやうに薄黒くなつてゐるのは、泥に交つた古い血の
凝固
(
かたまり
)
だつたのです。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
うしろを見ると、大漁
染
(
ぞめ
)
の
半纏
(
はんてん
)
を引ッかぶった漁師だの、熊のような男達が、腕ぐみをして、こんどは前にこりて用心ぶかく、こっちの足どりにつれて黙々と、船虫のようにくッついてくる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
えび
染
(
ぞめ
)
のきぬは、やれさけ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
あの人、
蝋
(
ろう
)
けつ
染
(
ぞめ
)
の物を
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
御岳ののぼり口には、いくつもの小屋や
厩
(
うまや
)
や
湯呑所
(
ゆのみじょ
)
などが
建
(
た
)
っていた。いま山は
紅葉
(
もみじ
)
のまっさかりで、
山腹
(
さんぷく
)
山上
(
さんじょう
)
、ところどころに
鯨幕
(
くじらまく
)
やむらさきだんだら
染
(
ぞめ
)
の
陣幕
(
じんまく
)
が、
樹間
(
じゅかん
)
にひらめいて見える。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
えび
染
(
ぞめ
)
のきぬは、やれさけ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
“染”を含む語句
馴染
感染
伝染
幼馴染
煮染
血染
香染
藍染川
染衣
染出
顔馴染
友染
垢染
藍染
曙染
世帯染
茜染
傳染
黒染
蘇芳染
...