“湯呑所”の読み方と例文
読み方割合
ゆのみじょ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おなじ少年が、しばらくの間に、一度は膝をまたぎ、一度は脇腹を小突き、三度目には腰を蹴つけた。目まぐろしく湯呑所ゆのみじょへ通ったのである。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
湯呑所ゆのみじょには例のむずかしい顔をした、かれらが「般若はんにゃ」という綽名あだなたてまつった小使がいた。舎監しゃかんのネイ将軍もいた。当直番に当たった数学の教師もいた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
御岳ののぼり口には、いくつもの小屋やうまや湯呑所ゆのみじょなどがっていた。いま山は紅葉もみじのまっさかりで、山腹さんぷく山上さんじょう、ところどころに鯨幕くじらまくやむらさきだんだらぞめ陣幕じんまくが、樹間じゅかんにひらめいて見える。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)