まみ)” の例文
抱きついて首を掻いた大出刃、血泥ちみどろまみれた衣裳、竹の先に懸っていた笊目籠などは、纏めて馬場わきの溝へ押し込んであった。
利家は、この敗将を迎えるに、日頃以上、ねんごろだった。子息の利長も、父に劣らぬ誠意をもって、この落人の血にまみれた草鞋わらじの片方を解いてやりなどする。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私が再び意識を取戻してふらふらと立上って見ると、博士や若い医者達は、暗い顔をして血まみれの手術台を取囲んでいた。手術台の上には令嬢の死体がばらばらになっていた。
が、石を積んでかしの厚板を並べた床は、東海坊の十本の指が碧血へきけつまみれる努力も空しく、ビクともする樣子はなく、四方に積んだ枯柴は、丈餘の焔を擧げて、つばさがあつても飛び越せさうもありません。
が、石を積んでかしの厚板を並べた床は、東海坊の十本の指が碧血へきけつまみれる努力も空しく、ビクともする様子はなく、四方に積んだ枯柴は、丈余の焔を挙げて、つばさがあっても飛び越せそうもありません。
いま斬り離されたばかりの血にまみれた手の指が十本!
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)