じみ)” の例文
ある点で日本人は、恰も我国の子供が子供じみているように、子供らしい。ある種の類似点は、誠に驚くばかりである。
いまにも象のような犬が飛出して来るのではないか、背後うしろから大蛇のような蚯蚓みみずの奴が我々の隙をねらっているのではないか——そんな狂気じみた気持にさえなって来る。
火星の魔術師 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
その狂気じみた山鹿十介の様子をぽかんと見詰めていたが、やがて、山鹿はほと溜息をつくと、尚もいまいましげに、右手の甲をカンテラにかざしみてから、いくらか気まり悪そうに
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)