“床柱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とこばしら91.3%
ゆかばしら8.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
床柱とこばしらけたる払子ほっすの先にはき残るこうの煙りがみ込んで、軸は若冲じゃくちゅう蘆雁ろがんと見える。かりの数は七十三羽、あしもとより数えがたい。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
婦人は鼻をつまらせつつしみじみ話す。自分は床柱とこばしらにもたれてぼんやりきいている。さいかしらをたれている。日はいつか暮れてしもうた。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
それも捕手のすきを待っていた者でしょうか、黒髪堂の床柱ゆかばしらに、守宮やもりのように貼りついていた男が、かれを見るや
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵の眠っている一棟の板小屋は、それと共に、崖の中途で、支えている床柱ゆかばしらはずされ、ぐわうーんと凄い音をたてながら、棟も板も、乱離となって、千仭せんじんの底へ呑まれてしまった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)