“千仭”の読み方と例文
読み方割合
せんじん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
 千仭せんじんがけかさねた、漆のような波の間を、かすかあおともしびに照らされて、白馬の背に手綱たづなしたは、この度迎え取るおもいものなんです。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吹雪、青の光をふきだす千仭せんじん氷罅クレヴァス。——いたるところに口を開く氷の墓の遥かへと、そのエスキモーは生きながらまれてゆく。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
千仭せんじんの底へつきおとされた気持ち——清子にとって、それよりもたまらないのは、そうなっても夫婦関係をつづけようとすることだった。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)