“せんじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
千仭34.1%
千仞27.1%
戦塵16.5%
千尋5.9%
閃刃4.7%
先陣3.5%
先人2.4%
戦陣1.2%
戰陳1.2%
繊塵1.2%
船陣1.2%
賤人1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吹雪、青の光をふきだす千仭せんじん氷罅クレヴァス。——いたるところに口を開く氷の墓の遥かへと、そのエスキモーは生きながらまれてゆく。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一寸した刹那せつなである。千仞せんじんの崖の上に立ったように目まいがした。急に目先が真暗になった。そしてそれが先達の最期だった。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
その生涯における戦いと労苦とにより傷つき疲れたるからだに香油をそそぎて、戦塵せんじんを洗い、筋骨を和らげ、美しく、香り高く、なごやかに憩わせることです。
途端に、弁信も、竜之助も、あっ! と言って湖面を見たのは、千尋せんじんの断崖の一方から、今しこの湖水をめがけて、ざんぶと飛び込んだ者があります。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
シーッと静まり返っている八方の閃刃せんじん。機を逸したか、胆をのまれてしまったか、それに応じる気合いもないうちに、またかれは凛々りんりんたる語気を張って
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
川音清兵衛かわおとせいべえ、今日こそ手柄てがらをたてんものと、いつも先陣せんじんに馬をかけさせていたが、このときうしろの小高い山かげから、ど、ど、どと、山くずれのような地ひびき立てて
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
逆臣尊氏の縁者という悪名にるいされてか否か、歴史の上ではほとんど影を消されており、もちろん今日の盲人諸君にしても、自分たちの先人せんじんに覚一があったことなどおそらく知るまい。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じしんはとおく戦陣せんじんたびにあるとも、留守るす町人ちょうにん百姓ひゃくしょうや女子供には、こうして、春は春らしく、平和にのんきに景気けいきよく、今宮祭いまみやまつりができるようにしておくのも、つまり、筑前守秀吉ちくぜんのかみひでよし
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
〔譯〕君につかへて忠ならざるは孝に非ざるなり、戰陳せんじんゆう無きは孝に非ざるなりと。曾子そうしは孝子なり、其の言かくの如し。彼の忠孝兩全りやうぜんせずと謂ふは、世俗せぞくの見なり。
飄逸、洒脱、繊塵せんじんを止めず、風去って山河秋色深し。更にす。看よ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
えんたる船陣せんじんをしながら、四方の海から整々せいせい入江いりえへさして集まってくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「山中の賤人せんじん。何ぞ、そのような大宇宙のことをよく知り得ましょうや」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)