先人せんじん)” の例文
じつは、じやくを、こめ兩方りやうはうくばつたかゆいて、以前いぜん紅葉先生こうえふせんせいしかられたものがある。「手前勝手てまへがつてこしらへやがつて——先人せんじんたいして失禮しつれいだ。」そのしかられたのはわたしかもれない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
逆臣尊氏の縁者という悪名にるいされてか否か、歴史の上ではほとんど影を消されており、もちろん今日の盲人諸君にしても、自分たちの先人せんじんに覚一があったことなどおそらく知るまい。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)