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染
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そま
ふりがな文庫
“
染
(
そま
)” の例文
まア寺男からお
前
(
ま
)
さんの子じゃア有るけれども眞達さんまでも
悪
(
われ
)
え事に
染
(
そま
)
りまして、それからお
前
(
ま
)
さん此の頃寺で
賭博
(
ばくち
)
を
為
(
し
)
ますと
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
掛れば
瓦羅利
(
からり
)
と開くにいよ/\
不審
(
ふしん
)
と進み
這入
(
はひれ
)
ば
這
(
こ
)
は如何に
主個
(
あるじ
)
庄兵衞は何者にか
殺害
(
せつがい
)
されたる物と見え
血汐
(
ちしほ
)
に
染
(
そま
)
りて
床
(
とこ
)
の上に
倒
(
たふ
)
れゐるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蜂矢は、その
機
(
き
)
に
乗
(
じょう
)
じて、長い繃帯をといた。なるほど、繃帯はどこもまっ白で血に
染
(
そま
)
っているところは見あたらなかった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そんなお
喋
(
しゃべ
)
りをしていますと、
突然
(
とつぜん
)
空中
(
くうちゅう
)
でポンポンと
音
(
おと
)
がして、二
羽
(
わ
)
の
雁
(
がん
)
は
傷
(
きず
)
ついて
水草
(
みずくさ
)
の
間
(
あいだ
)
に
落
(
お
)
ちて
死
(
し
)
に、あたりの
水
(
みず
)
は
血
(
ち
)
で
赤
(
あか
)
く
染
(
そま
)
りました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
どうしてって言えばね、雪をつかねた鶏の鳥冠が、ほんのりと桃色に
染
(
そま
)
りましたって、日の昇り際の、峰から雲に
射
(
さ
)
す影が映って彩ったんです。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
『麒麟』の一篇に於ては、斉の霊公が愛妃南子夫人の為めに酷刑を所せられた罪人の群が血に
染
(
そま
)
つて宮殿の階下に
蠢
(
うごめ
)
いてゐる一節が挿入してある。
谷崎潤一郎氏の作品
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それを
吸
(
す
)
へば
紫蘇
(
しそ
)
の
味
(
あぢ
)
がして、チユー/\
吸
(
す
)
ふうちに、だん/\
筍
(
たけのこ
)
の
皮
(
かは
)
が
赤
(
あか
)
く
染
(
そま
)
つて
來
(
く
)
るのも
嬉
(
うれ
)
しいものでした。このお
雛
(
ひな
)
は
村
(
むら
)
の
髮結
(
かみゆひ
)
の
娘
(
むすめ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
新田が
洋灯
(
ランプ
)
をさしつけた。見よ、怪鳥の爪が生々しく血に
染
(
そま
)
っているではないか、——三人は愕然として息をのんだ。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
併し振り返ると、そこには
血
(
あけ
)
に
染
(
そま
)
った死人が無気味な人形の様に
黙
(
もく
)
していた。その様子が明らかに夢ではなかった。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
湯上りのときなど惚れぼれしたその淡紅色に
染
(
そま
)
った白い肌も、いま見ると
皺
(
しわ
)
だらけの、やたらと赤い斑点を散らしただんだらの臭くて粗悪なゴムの延板にすぎない。
メリイ・クリスマス
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
この手拭が湯に
染
(
そま
)
った上へ、赤い
縞
(
しま
)
が流れ出したのでちょっと見ると
紅色
(
べにいろ
)
に見える。おれはこの手拭を行きも帰りも、汽車に乗ってもあるいても、常にぶら下げている。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
皆
(
みな
)
の
夜具
(
やぐ
)
は
只
(
たゞ
)
壁際
(
かべぎは
)
に
端
(
はし
)
を
捲
(
ま
)
くつた
儘
(
まゝ
)
で
突
(
つ
)
きつけてある。
卯平
(
うへい
)
は
其處
(
そこ
)
を
凝然
(
ぢつ
)
と
見
(
み
)
た。
箱枕
(
はこまくら
)
の
括
(
くゝ
)
りは
紙
(
かみ
)
で
包
(
つゝ
)
んでないばかりでなく、
切地
(
きれぢ
)
の
縞目
(
しまめ
)
も
分
(
わか
)
らぬ
程
(
ほど
)
汚
(
きた
)
なく
脂肪
(
あぶら
)
に
染
(
そま
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夏は、村ぢゆうが深い青葉につゝまれ、秋はあざやかな
紅葉
(
こうえふ
)
に
染
(
そま
)
りました。
紅葉
(
もみぢ
)
がちつてうつくしく色づいた実が、玉をつづつてゐるのを見るのは、どんなにたのしかつたでせう。
柿
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
カラーをとりシャツを開けば、胸部に物凄いほど大きな傷が鮮血に
染
(
そま
)
って現われた。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
僕
(
ぼく
)
が
此小學校
(
このせうがくかう
)
に
入
(
はひ
)
る
僅
(
わづ
)
か
四年前
(
よねんぜん
)
に
此學校
(
このがくかう
)
は
創立
(
さうりつ
)
されたので、
其
(
それ
)
より
更
(
さら
)
に
十年前
(
じふねんぜん
)
のこと、
正月元日
(
しやうぐわつぐわんじつ
)
の
朝
(
あさ
)
でした、
新年
(
しんねん
)
の
初光
(
しよくわう
)
は
今
(
いま
)
將
(
まさ
)
に
青海原
(
あをうなばら
)
の
果
(
はて
)
より
其第一線
(
そのだいゝつせん
)
を
投
(
な
)
げ、
東雲
(
しのゝめ
)
の
横雲
(
よこぐも
)
は
黄金色
(
こんじき
)
に
染
(
そま
)
り
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
英国の海峡は珍らしい
凪
(
なぎ
)
の中に渡つたが、海の夜風が寒いので三等客の僕等は甲板の上で
慄
(
ふる
)
へて居た。一時間の
後
(
のち
)
ドオヷアに着いて海峡の
夜明
(
よあけ
)
の雲の赤く
染
(
そま
)
つた
下
(
もと
)
で更に
倫敦
(
ロンドン
)
行の汽車に乗移つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
憐愍
(
あはれみ
)
の
房
(
ふさ
)
の血に赤く
染
(
そま
)
つた尊い
荊棘
(
いばら
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
森の頂きは、美しく紅く
染
(
そま
)
った。
森の暗き夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雪なす鸚鵡は、見る/\全身、美しい血に
染
(
そま
)
つたが、目を眠るばかり
恍惚
(
うっとり
)
と成つて、
朗
(
ほがら
)
かに歌つたのである。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
掛
(
かけ
)
なば兄弟の
命
(
いのち
)
は
助
(
たすか
)
る共嘉川の家は
滅亡
(
めつばう
)
ならんにより此上は最早是非もなし心に
染
(
そま
)
ぬ事なれ共
佐
(
すけ
)
十郎郷右衞門ら兩人を
罪
(
つみ
)
に
落
(
おと
)
し
主家
(
しゆか
)
の滅亡を
救
(
すく
)
はんと
據
(
よんど
)
ころなく
愚案
(
ぐあん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
われは
彼方
(
かなた
)
に、
忽如
(
こつじょ
)
として入日に
染
(
そま
)
りかがやける、怪異なる
西班牙
(
エスパンユ
)
をこそ望み見たれ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
念佛
(
ねんぶつ
)
が
畢
(
をは
)
るまでには
段々
(
だん/\
)
と
遠
(
とほ
)
い
近
(
ちか
)
い
木立
(
こだち
)
の
輪郭
(
りんくわく
)
がくつきりとして
青
(
あを
)
い
蜜柑
(
みかん
)
の
皮
(
かは
)
が
日
(
ひ
)
に
當
(
あた
)
つた
部分
(
ぶぶん
)
から
少
(
すこ
)
しづゝ
彩
(
いろど
)
られて
行
(
ゆ
)
くやうに
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
が
薄
(
うす
)
く
黄色
(
きいろ
)
に
染
(
そま
)
つて
段々
(
だん/\
)
にそれが
濃
(
こ
)
く
成
(
な
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
然
(
しか
)
し善という事はむずかしいもので、悪事には
兎角
(
とかく
)
染
(
そま
)
り
易
(
やす
)
いものでござります。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自分は彼女が兄と会見を終って、自分達の
室
(
へや
)
の横を通る時、その足音を聞きつけて、用あり気に不意と廊下へ出た。ばったり
出逢
(
であ
)
った彼女の顔は依然として恥ずかしそうに赤く
染
(
そま
)
っていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「鞄から出ている赤い紐な。それは若い女の腰紐じゃぞ。その腰紐が、先が
裂
(
さ
)
けて切れているわ。それにさ、紐の先んところが赤黒く
染
(
そま
)
っているが、血がこびりついているんじゃないのかい」
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
雪
(
ゆき
)
なす
鸚鵡
(
あうむ
)
は、
見
(
み
)
る/\
全身
(
ぜんしん
)
、
美
(
うつく
)
しい
血
(
ち
)
に
染
(
そま
)
つたが、
目
(
め
)
を
眠
(
ねむ
)
るばかり
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
朗
(
ほがら
)
かに
歌
(
うた
)
つたのである。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此時
(
このとき
)
、われに
返
(
かへ
)
る
心
(
こゝろ
)
、しかも
湯氣
(
ゆげ
)
の
裡
(
うち
)
に
恍惚
(
くわうこつ
)
として、
彼處
(
かしこ
)
に
鼈甲
(
べつかふ
)
の
櫛
(
くし
)
笄
(
かうがい
)
の
行方
(
ゆくへ
)
も
覺
(
おぼ
)
えず、
此處
(
こゝ
)
に
亂箱
(
みだればこ
)
の
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
、
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
にさへ
袖
(
そで
)
をこぼれて
亂
(
みだ
)
れたり。
面
(
おもて
)
、
色
(
いろ
)
染
(
そま
)
んぬ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月夜
(
つきよ
)
なんざ、
露
(
つゆ
)
にも
色
(
いろ
)
が
染
(
そま
)
るやうに
綺麗
(
きれい
)
です……お
庇
(
かげ
)
を
被
(
かうむ
)
つて、いゝ
保養
(
ほやう
)
をしますのは、
手前
(
てまへ
)
ども。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
急
(
あせ
)
って、
踠
(
もが
)
いて、立ったり居たり、
汀
(
みぎわ
)
もそちこち、場所を変えてうろついて見込んだが、ふと心づいて
眗
(
みまわ
)
せば、早や何が
染
(
そま
)
るでもなく、緑は緑、青は青で、樹の間は
薄暮合
(
うすくれあい
)
。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
売ものが散らばりましたか、
真赤
(
まっか
)
に
染
(
そま
)
った木の葉を枕で、目を眠っていましたよ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
糸七は仰天した、人参のごとく
真
(
しん
)
まで
染
(
そま
)
って
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
“染”を含む語句
馴染
感染
伝染
幼馴染
煮染
血染
香染
藍染川
染衣
染出
顔馴染
友染
垢染
藍染
曙染
世帯染
茜染
傳染
黒染
蘇芳染
...