ある秋の夜。むし暑く、寝苦しいまま、彼はアパートの手すりにもたれて、目の下にひろがる都会の夜を、ぼんやりと眺めていた。彼の部屋は、都心に近い高層アパートの、それも最上階にあった。 月の美しい夜ふけで、空は月のまわりだけ穴をあけたように明るく …
著者 | 山川方夫 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「ヒッチコック・マガジン 第四巻第一三号」宝石社、1962(昭和37)年12月1日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約13分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約22分(300文字/分) |