“悪狡”のいろいろな読み方と例文
旧字:惡狡
読み方割合
わるがしこ37.5%
わるごす25.0%
わるがし12.5%
わるこす12.5%
わるずる12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乱世の間を、こういうふうに、押し太く、悪狡わるがしこく、上手に生きぬいて来たつもりであった松永久秀ひさひでも、たった一つ、大きな過誤を犯してしまった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういうむずかしい事件にひっかけて策略をするような悪狡わるごすい男とも見えないが、たしかに裏になにかある。
悪の花束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
繰り返して云うがね、ウルリーケは絶対にクリームヒルトではなく、氷島イスランドの女王ブルンヒルトなんだ。しかも、この事件のブルンヒルトは、魔女のように悪狡わるがしこく、邪悪なスペードの女王なんだよ
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
雪之丞は、三郎兵衛が、例の悪狡わるこすい眼を細めるようにして、こんな事を、くどくどと述べたてるのを聞いているうちに、だんだん気持が変って来た。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
一見、供出するものに同情ある様子ながらも、悪狡わるずるく逃げるものは逃がして置き、その後で絞め上げて見せようというはらも見え、なかなか油断のならぬ方法である。