“わるがしこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悪狡33.3%
悪賢33.3%
奸譎11.1%
惡賢11.1%
狡猾11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはちょうど、悪狡わるがしこい獣が耳を垂れ、相手が近づくのを待ち構えているようであった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
この油断のない、貪欲どんよく悪賢わるがしこい鳥に対して、わたしはずっと前から憎悪ぞうおをいだいていたのである。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
六尺近い背丈せいを少し前こごみにして、営養の悪い土気色つちけいろの顔が真直に肩の上に乗っていた。当惑した野獣のようで、同時に何所どこ奸譎わるがしこい大きな眼が太い眉の下でぎろぎろと光っていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「それに、死骸のそばに落ちて居た剃刀かみそりは、一度血を拭いて、改めて思ひ付いて捨てたもので、あれは、餘程惡賢わるがしこい奴のやつたことで御座います」
われに計略はかりごとあり、及ばぬまでも試み給はずや、およきつねたぬきたぐいは、その性質さがいたっ狡猾わるがしこく、猜疑うたがい深き獣なれば、なまじいにたくみたりとも、容易たやすく捕へ得つべうもあらねど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)