奸譎わるがしこ)” の例文
六尺近い背丈せいを少し前こごみにして、営養の悪い土気色つちけいろの顔が真直に肩の上に乗っていた。当惑した野獣のようで、同時に何所どこ奸譎わるがしこい大きな眼が太い眉の下でぎろぎろと光っていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)