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沸
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た
ふりがな文庫
“
沸
(
た
)” の例文
僕は井筒屋の
風呂
(
ふろ
)
を
貰
(
もら
)
っていたが、雨が降ったり、あまり涼しかったりする日は
沸
(
た
)
たないので、自然近処の銭湯に行くことになった。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
沸
(
た
)
ぎらせてゐたつばめ太夫といふ、若くて綺麗なのが
蜀紅
(
しよくかう
)
錦の
肩衣
(
かたぎぬ
)
で、いきなり天井から落ちて來て、あつしに噛り付いたとしたらどんなものです
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鉄瓶の湯は煮え
沸
(
た
)
ぎって、火は何時しか消えてしまった。太吉は笛と小刀とを下に置いて家の外に出て見た。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
沸
(
た
)
ぎる火の闇に
詮
(
せん
)
なく消ゆるあとより又沸ぎる火が立ち
騰
(
のぼ
)
る。深き夜を焦せとばかり煮え返る
燄
(
ほのお
)
の声は、地にわめく人の叫びを
小癪
(
こしゃく
)
なりとて空一面に鳴り渡る。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私の郷里は正確にいうと愛知県
幡豆
(
はず
)
郡横須賀村であるが通称「吉良郷」と呼ばれ、後年この土地に
任侠
(
にんきょう
)
の気風が
汪然
(
おうぜん
)
として
沸
(
た
)
ぎりたったのも、彼等が尊敬
措
(
お
)
く
能
(
あた
)
わざる領主
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
▼ もっと見る
「さあ、お湯も
沸
(
た
)
ちますから、坐っておくんなさいよ——御相談があるんだからさ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
舟板に二、三枚重ねて敷いた座蒲團の上に
胡座
(
あぐら
)
して傍らの七輪に
沸
(
た
)
ぎる鉄瓶の
松籟
(
しょうらい
)
を聞くともなしに耳にしながら、
艫
(
ろ
)
(とも・へさき)にならんだ竿先に見入る雅境は昔から江戸ッ子が愛好してきた。
寒鮒
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
そして
煎薬
(
せんやく
)
を自分で
沸
(
た
)
てて来て
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
沸
(
た
)
ぎる鉛は啣むとも
この日
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
六畳の室には電燈が
吊下
(
つるさが
)
っていて、下の火鉢に火が
熾
(
さかん
)
に起きている。鉄瓶には湯が煮え
沸
(
た
)
っていた。小さな机兼食卓の上には、鞄の中から、出された外国の小説と旅行案内と新聞が載っている。
渋温泉の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
沸
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“沸”を含む語句
沸騰
湯沸
沸々
沸立
沸返
沸然
沸上
珈琲沸
湯沸器
沸燗
沸湯
鼎沸
沸沸
沸出
大沸
赤沸石
荒沸
大沸騰
熱沸
煮沸
...