“ごぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御前59.0%
御膳19.7%
午前11.0%
御飯7.5%
御饌1.2%
晩餐0.6%
御饍0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「でも、ただ今は、御本丸へ、秀吉様がお越しになって、紀伊どのも、三左どのも、御前ごぜんでお話し中だといってるではありませんか」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人仕事ひとしごといそがわしい家の、晩飯の支度は遅く、ちょう御膳ごぜん取附とっつきの障子をけると、洋燈ランプあかし朦朧もうろうとするばかり、食物たべものの湯気が立つ。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
海戰かいせん午前ごぜん三十ぷんはじまつて、東雲しのゝめころまでをはらなかつた。此方こなた忠勇ちうゆう義烈ぎれつ日本軍艦につぽんぐんかんなり、てき世界せかいかくれなき印度洋インドやう大海賊だいかいぞく
ひよつと夕飯までに帰らなんだら、少し御飯ごぜんひかへて喰べとくがよい、腹のすいてる方がおいしいさかいな。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
そこで充分御饌ごぜんも頂戴し
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
余所よそしきりに晩餐ごぜんを食べてけと勧められたけれども和女おまえのお料理が出来ているだろうと思ってにも食べずに戻って来た。そんなによく出来たら誰かを呼んで御馳走したいの。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
聞くと少々心細くなりましたからモー晩餐ごぜんはおしまいにしましょう。どうぞお茶を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「どうも困るね、御飯をたべないと、身体からだが疲れるばかりだからね」「そうでございますとも、私共でさえ一日御饍ごぜんをいただかないと、明くる日はとても働けませんもの」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ふはりと隣家の破風はふかすめてかもめが一つ浮いて出た。青み初めた空から太陽がわづかに赤いうろこを振り落した。まじめな朝が若いごぜんと交代する。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)