午前ごぜん)” の例文
曇後晴くもりのちはれ午前ごぜん時頃じごろ瓢箪山ひようたんやま到着たうちやくしてると、發掘はつくつすで進行しんかうして赤鉢卷隊あかはちまきたい活動くわつどうしてるが、一かうかはつたことい。
海戰かいせん午前ごぜん三十ぷんはじまつて、東雲しのゝめころまでをはらなかつた。此方こなた忠勇ちうゆう義烈ぎれつ日本軍艦につぽんぐんかんなり、てき世界せかいかくれなき印度洋インドやう大海賊だいかいぞく
日曜にちよう午前ごぜんでした。そらは、くもっていました。どうしたことか、このごろは、れたり、ったりして、おかしな天気てんきがつづくのでした。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれく/\午前ごぜんしばらわすれて百姓ひやくしやう活動くわつどうふたゝ目前もくぜんつけられてかくれて憤懣ふんまんじやう勃々むか/\くびもたげた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
午前ごぜんなどと文化ぶんくわがつたり、あさがつたりしてはられない。ごろではまだ夜半よなかではないか。南洋なんやうから土人どじんても、夜中よなか見物けんぶつ出來できるものか。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其處そこほねひとく』といふ文句もんくそれ自身じしんがふら/\と新宿しんじゆく停車場ていしやぢやういたのは六月二十日の午前ごぜん何時であつたかわすれた。かく一汽車ひときしやおくれたのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
晩食ばんめしとき宜道ぎだう宗助そうすけに、入室にふしつ時間じかん朝夕てうせきくわいあることゝ、提唱ていしやう時間じかん午前ごぜんであることなどをはなしたうへ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
己は静かな所で為事しごとをしようと思って、この海岸のある部落の、小さい下宿に住み込んだ。青々とした蔓草つるぐさの巻き付いている、その家に越して来た当座の、ある日の午前ごぜんであった。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
四十一ねんぐわつ二十一にち午前ごぜんごろ水谷氏みづたにしとは、大森おほもり兒島邸こじまてい訪問ほうもんした。しかるにおうは、熱海あたみはうつてられて、不在ふざん
ふまでのことではあるまい。昨日さくじつ……大正たいしやう十二ねんぐわつじつ午前ごぜん十一五十八ふんおこつた大地震おほぢしんこのかた、たれ一睡いつすゐもしたものはないのであるから。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此時このとき中部甲板ちうぶかんぱんには、午前ごぜん十一ほうずる六點鐘ろくてんしやう、カヽン! カヽン! カヽン! カヽン! カヽン! カヽン!
彼等かれらのしをらしいものはそれでも午前ごぜん幾時間いくじかん懸命けんめいはたらいてちゝなるものゝ小言こごとかぬまでにうまやそばくさんでは、午後ごご幾時間いくじかん勝手かつてつひやさうとする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
午前ごぜんには体操たいそうや、地理ちりや、習字しゅうじ時間じかんがあって、午後こごからはいよいよ算術さんじゅつ時間じかんがあるのでした。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天氣てんきすぐれてうつくしいある午前ごぜん御米およね何時いつものとほ宗助そうすけおくしてからぢきに、おもてた。もうをんな日傘ひがさしてそとくべき時節じせつであつた。いそいで日向ひなたあるくとひたひあたりすこあせばんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と、發着はつちやくえき靜岡しづをかもどしてると、「や、此奴こいつよわつた。」おもはずこゑしてつぶやいた。靜岡着しづをかちやく午前ごぜんまさに四時よじなのであつた。いや、串戲じようだんではない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
翌日よくじつ午前ごぜん醫者いしやまた注射ちうしやをして大抵たいていれでよからうといつてつた。しかしおしな容態ようだい依然いぜんとして恢復くわいふく徴候ちようこうがないのみでなく次第しだい大儀相たいぎさうえはじめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やが海底戰鬪艇かいていせんとうていが、いよ/\秘密造船所ひみつざうせんじよづるはづ午前ごぜん九時くじになると、一發いつぱつ砲聲ほうせいとゞろいた。
東京朝日新聞とうきやうあさひしんぶん記者きしやにして考古家中かうこかちう嶄然ざんぜん頭角とうかくあらはせる水谷幻花氏みづたにげんくわし同行どうかうして、は四十一ねんぐわつ午前ごぜんくもり鶴見つるみ電車停留場でんしやていりうぢやう到着たうちやくすると、もなく都新聞みやこしんぶん吉見氏よしみし
かれは、午前ごぜんのうちにかけ、おおくのひとたちとともに、れつをつくってならんだが、そのながれつは、えんえんとして、さながら長蛇ちょうだのごとく、運動場うんどうじょう内側うちがわ幾巡いくめぐりもしたのであります。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
午前ごぜん囘診くわいしんにおいでなすつた醫師せんせいが、喫驚びつくりなさいました。不思議ふしぎなくらゐ、ときからみやくがよくつたんです……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それは日曜にちよう午前ごぜんでした。天気てんきがいいので、往来おうらいは、いつになく人出ひとでおおく、カメラをげてかける青年せいねんなどを見受みうけました。このとき、チリン、チリンというすずがしました。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
……張合はりあひのないれい寢坊ねばう朝飯あさめしましたあとだから、午前ごぜん十時半頃じふじはんごろだとおもふ……どん/\と色氣いろけなく二階にかいあがつて、やあ、いゝお天氣てんきだ、難有ありがたい、と御禮おれいひたいほどの心持こゝろもち
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かもめは、きたほう故郷こきょうかえろうとこころにきめました。そして、その名残なごりにこのまちなか光景こうけいをできるだけよくておこうとおもいました。ある太陽たいようかがやく、よくれた午前ごぜんのことでありました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかは、午前ごぜんうち爪皮つまかは高足駄たかげた外套ぐわいたうしづくしたゝ蛇目傘ぢやのめがさくも濡々ぬれ/\としたありさまで、(まだ四十にはがあるのに、わかくしてした)香川かがは或素封家あるそはうか婿むこであつた
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
以上いじやう……滋養じやう灌腸くわんちやうなぞは、絶対ぜつたいきらひますから、湯水ゆみづとほらないくらゐですのに、意識いしき明瞭めいれうで、今朝こんてう午前ごぜんいき引取ひきとりました一寸前ちよつとぜんにも、種々しゆ/″\細々こま/″\と、わたしひざかほをのせてはなしをしまして。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
電報でんぱういたのは、翌日よくじつ午前ごぜん十時じふじぎであつた。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)