“人出”の読み方と例文
読み方割合
ひとで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三度目に掛合かけあった老車夫が、やっとの事でお豊の望む賃銀で小梅行きを承知した。吾妻橋あずまばしは午後の日光と塵埃じんあいの中におびただしい人出ひとでである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
尼寺あまでらて、ぼくはびっくりした。まるでおまつりのときのような人出ひとでである。いや、おまつりのとき以上いじょうかもれない。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
銀座は、ひどい人出ひとでである。みんな僕たちみたいに家が憂鬱ゆううつだから、こうして銀座へ出て来ているのであろうか、と思ったら、おそろしい気がした。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)