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ふりがな文庫
“
人出
(
ひとで
)” の例文
三度目に
掛合
(
かけあ
)
った老車夫が、やっとの事でお豊の望む賃銀で小梅行きを承知した。
吾妻橋
(
あずまばし
)
は午後の日光と
塵埃
(
じんあい
)
の中におびただしい
人出
(
ひとで
)
である。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
尼寺
(
あまでら
)
へ
来
(
き
)
て
見
(
み
)
て、
僕
(
ぼく
)
はびっくりした。まるでお
祭
(
まつ
)
りのときのような
人出
(
ひとで
)
である。いや、お
祭
(
まつ
)
りのとき
以上
(
いじょう
)
かも
知
(
し
)
れない。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
銀座は、ひどい
人出
(
ひとで
)
である。みんな僕たちみたいに家が
憂鬱
(
ゆううつ
)
だから、こうして銀座へ出て来ているのであろうか、と思ったら、おそろしい気がした。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「よウ、京都の
葵祭
(
あおいまつり
)
にも
人出
(
ひとで
)
はあるが、この
甲斐
(
かい
)
の
山奥
(
やまおく
)
へ、こんなに人間が
集
(
あつ
)
まってくるたあ
豪勢
(
ごうせい
)
なもンだなあ……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地元
(
じもと
)
の
里
(
さと
)
はいうまでもなく、三
里
(
り
)
五
里
(
り
)
の
近郷近在
(
きんごうきんざい
)
からも
大
(
たい
)
へんな
人出
(
ひとで
)
で、あの
狭
(
せま
)
い
海岸
(
かいがん
)
が
身動
(
みうご
)
きのできぬ
有様
(
ありさま
)
じゃ。
往来
(
おうらい
)
には
掛茶屋
(
かけちゃや
)
やら、
屋台店
(
やたいみせ
)
やらが
大分
(
だいぶ
)
できて
居
(
い
)
る……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
それは
日曜
(
にちよう
)
の
午前
(
ごぜん
)
でした。
天気
(
てんき
)
がいいので、
往来
(
おうらい
)
は、いつになく
人出
(
ひとで
)
が
多
(
おお
)
く、カメラを
下
(
さ
)
げて
出
(
で
)
かける
青年
(
せいねん
)
などを
見受
(
みう
)
けました。このとき、チリン、チリンという
鈴
(
すず
)
の
音
(
ね
)
がしました。
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
初めは
生
(
いき
)
た亀ノ子と
麩
(
ふ
)
など売りしが、いつか張子の亀を製し、首、手足を動かす物を棒につけ売りし由。総じて
人出
(
ひとで
)
群集
(
ぐんしゅう
)
する所には皆玩具類を売る
見世
(
みせ
)
ありて、何か
思付
(
おもいつ
)
きし物をうりしにや。
江戸の玩具
(新字旧仮名)
/
淡島寒月
(著)
両方の橋のたもとはこの見物で、爪も立たないような大変な
人出
(
ひとで
)
。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
町内
(
ちやうない
)
一
(
いつ
)
ぱいのえらい
人出
(
ひとで
)
だ、
何
(
なん
)
につけても
騷々
(
さう/″\
)
しい。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三度目に
掛合
(
かけあ
)
つた
老車夫
(
らうしやふ
)
が、やつとの事でお
豊
(
とよ
)
の望む
賃銀
(
ちんぎん
)
で
小梅
(
こうめ
)
行
(
ゆ
)
きを承知した。
吾妻橋
(
あづまばし
)
は午後の日光と
塵埃
(
ぢんあい
)
の中におびたゞしい
人出
(
ひとで
)
である。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
浅草雷門
(
あさくさかみなりもん
)
まで来た。浅草は、大勢の
人出
(
ひとで
)
であった。もう泣いていない。自分を、ラスコリニコフのような気がした。ミルクホールにはいる。卓の上が、ほこりで白くなっている。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
しかし、その
日
(
ひ
)
は、
縁日
(
えんにち
)
で、いつもよりかいっそう
露店
(
ろてん
)
も
人出
(
ひとで
)
も
多
(
おお
)
かったのです。
ある夜の姉と弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鐘
(
かね
)
チャンギリも
浮
(
う
)
きうきとして、
風流小袖
(
ふうりゅうこそで
)
の
老幼男女
(
ろうようなんにょ
)
が、くることくること、帰ること帰ること、
今宮神社
(
いまみやじんじゃ
)
の八
神殿
(
しんでん
)
から、
斎院
(
さいいん
)
、
絵馬堂
(
えまどう
)
、
矢大臣門
(
やだいじんもん
)
、ほとんど
織
(
お
)
りなすばかりな
人出
(
ひとで
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道子
(
みちこ
)
はハンドバツグからピースの
箱
(
はこ
)
を
取出
(
とりだ
)
しながら、
見渡
(
みわた
)
すかぎりあたりは
盆
(
ぼん
)
の十
四日
(
よつか
)
の
夜
(
よる
)
の
人出
(
ひとで
)
がいよ/\
激
(
はげ
)
しくなつて
行
(
ゆ
)
くのを
眺
(
なが
)
めた。(昭和廿八年十二月作)
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
夏のころの、これは、お話でございます。新宿は、たいへんな
人出
(
ひとで
)
でございます。
愛と美について
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
春昼
(
しゅんちゅう
)
・
二
(
ふた
)
つの
人出
(
ひとで
)
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夕凉
(
ゆふすゞみ
)
に
出掛
(
でか
)
ける
賑
(
にぎや
)
かな
人出
(
ひとで
)
の中にお
糸
(
いと
)
はふいと
立止
(
たちどま
)
つて、
並
(
なら
)
んで歩く
長吉
(
ちやうきち
)
の
袖
(
そで
)
を引き、「
長
(
ちやう
)
さん、あたいも
直
(
ぢ
)
きあんな
扮装
(
なり
)
するんだねえ。
絽縮緬
(
ろちりめん
)
だねきつと、あの
羽織
(
はおり
)
………。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“人出”で始まる語句
人出入