“九時”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くじ85.7%
こゝのつどき14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雖然けれども曳惱ひきなやんで、ともすれば向風むかひかぜ押戻おしもどされさうにる。暗闇やみおほいなるふちごとし。……前途ゆくさき覺束おぼつかなさ。うやら九時くじのにひさうにおもはれぬ。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
炬燵こたつの火もいとよし、酒もあたゝめんばかりなるを。時は今何時なんどきにか、あれ、空に聞ゆるは上野うへのの鐘ならん。二ツ三ツ四ツ、八時はちじか、いな九時くじになりけり。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
孝助はあとになり先になり私に附きて此の地に参り、実は今晩九時こゝのつどきの鐘を合図に庭口から此家こゝに忍んで来る約束、討たせては済まないから、お前達も隠さず実はこれ/\と云いさえすれば