“向風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかひかぜ50.0%
むかいかぜ33.3%
むこうかぜ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雖然けれども曳惱ひきなやんで、ともすれば向風むかひかぜ押戻おしもどされさうにる。暗闇やみおほいなるふちごとし。……前途ゆくさき覺束おぼつかなさ。うやら九時くじのにひさうにおもはれぬ。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
華奢きゃしゃな事は、吹つけるほどではなくても、雪を持った向風むかいかぜにゃ、傘も洋傘こうもりも持切れますめえ、かぶりもしないで、湯女ゆなと同じ竹の子笠を胸へ取って、襟を伏せて、俯向うつむいてきます。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
双子ふたこの着物に白ッぽい唐桟とうざん半纏はんてん博多はかたの帯、黒八丈の前垂まえだれ白綾子しろりんずに菊唐草浮織の手巾ハンケチうなじに巻いたが、向風むこうかぜに少々鼻下を赤うして、土手からたらたらと坂を下り
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)