御前おまい)” の例文
「御米、御前おまい子供ができたんじゃないか」と笑いながら云った。御米は返事もせずに俯向うつむいてしきりに夫の背広せびろほこりを払った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御米およね御前おまい子供こども出來できたんぢやないか」とわらひながらつた。御米およね返事へんじもせずに俯向うつむいてしきりにをつと脊廣せびろほこりはらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「宗近と云えば、御前おまいさっきのものはどこにあるのかい」と御母さんは、きりりとした眼を上げて部屋のうちを見廻わす。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
仕舞しまひにはればほどこんらしくなくなつてる。——御前おまいそんなこと經驗けいけんしたことはないかい
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「何にも変った事はありゃしない。多分御前おまいの夢だろう」と云って、宗助は横になった。御米はけっして夢でないと主張した。たしかに頭の上で大きな音がしたのだと固執こしつした。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紙の上へちゃんと書いて見て、じっと眺めていると、何だか違ったような気がする。しまいには見れば見るほどこんらしくなくなって来る。——御前おまいそんな事を経験した事はないかい
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「伝教大師は御前おまい、叡山のふもとで生れた人だ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御前おまい——あの人と喧嘩けんかでもしたのかい」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御前おまい近頃岡本の所へ遊びに行くかい」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御前おまい金が出来るのかい」
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御前おまいかね出来できるのかい」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)