御前みさき)” の例文
かれ大國主の神、出雲の御大みほ御前みさきにいます時に、波の穗より、天の羅摩かがみの船に乘りて、ひむしの皮を内剥うつはぎに剥ぎて衣服みけしにして、り來る神あり。
かれ問ひたまふ時に、答へ白さく、「僕は國つ神、名は猿田さるだ毘古の神なり。出で居る所以ゆゑは、天つ神の御子天降りますと聞きしかば、御前みさきに仕へまつらむとして、まゐ向ひさもらふ」
かれここに天の忍日おしひの命あま久米くめの命二人ふたり、天の石靫いはゆき一三を取り負ひ、頭椎くぶつちの大刀一四を取り佩き、天の波士弓はじゆみを取り持ち、天の眞鹿兒矢まかごや手挾たばさみ、御前みさきに立ちて仕へまつりき。