“おんまえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
御前100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御前おんまえ様。……ぶしつけではございますが、ただの場合ではございませぬ。どうぞ、お身装みなりなど気づかいなく、早くここを開けて、お顔をかして下さいまし」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大帝の御前おんまえに祈をささげ終った二人は、いかりマークのついた自動車を走らせて目黒の岡に向った。大佐がハンドルをにぎっている。自動車はとある森かげの小さい邸の前にとまった。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
それは文字を白く染抜いた紫の旗で、外に記念の賞を添えまして、殿下の御前おんまえ、群集の喝采かっさいなかで、大佐から賜ったのでした。源の目は嫉妬しっとの為に輝いて、口唇は冷嘲あざわらったように引ゆがみました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)