這入へい)” の例文
伴「だがのう、此奴こいつがあると幽霊が今夜百両の金を持って来ても、おれの所へ這入へいる事が出来めえが、是にゃア困った」
おど! 駄目だ、おど。足さ合わせてこせえだのだがら、おど足さなど這入へいんねえがら……」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
三「何所からだって這入へいるが、さ縛れ、其の代り己がくらい込めば、もう娑婆ア見る事ア出来ねえから、此の番頭手前てめえも一緒に抱いてくからう思え」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
伴「そんな這入へいりようがあるものか、なんてえ這入へいりようだ、突立つッたって這入へえッちゃア蚊が這入へえって仕ようがねえ」
伴「なにらたちにはなんだか訳が分らねえが、幽霊は此奴こいつがあると這入へいられねえという程な魔除まよけのおまもりだ」
久留島さまと少々御縁引ごえんびきであるから、おらほうへ来るがえと引取られてるんだそうだが、御亭主も妹も去年お死去なくなりなすって、久留島さまが引取って、小せえうち這入へい
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
男「その若旦那と一緒に附いて這入へいった美くしいねえさんは此のうちの娘でございやすか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
男「今こゝのうちへ二人連れで這入へいった若いお方は此方こちらの若旦那でございますか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
機嫌を取りゃアい気になって、色男振りやアがって、人のうちの娘をったり叩いたりしやアがる、全体おかしな奴だ、他人ひとの家へつか/\這入へいって、お茶ア飲んで菓子を喰倒しやアがって
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
成程己はわずかなお給金を戴いて飯炊をしてえるからッて、飯せえ焦がさねえようにしていればえというもんじゃアあんめえ、当家うちへ泥坊が這入へいってお内儀様かみさん斬殺きりころしても、己が飯炊だからって
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
通り道から少し這入へいるばかりだから、ちょっくり塚前へも寄ったが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)