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這入
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はいつ
三千代は
何にも答へずに
室の
中に
這入て
来た。セルの
単衣の
下に襦袢を
重ねて、
手に大きな白い
百合の
花を三本
許提げてゐた。
腹ン
中に五六十
両の
金子が
這入てる、
加之に
古金だ、
何うして
呉よう、知つてるのは
己ばかりだが、ウム、
宜い事がある。
微温湯だから
其儘ゴツクリ
飲むと、
空ツ
腹へ五六十
両の
金子と
餅が
這入たのでげすからゴロ/\/\と
込上げて
来た。源
「
全たく、
服装丈ぢや
分らない世の
中になりましたからね。
何処の紳士かと思ふと、どうも
変ちきりんな
家へ
這入てますからね」と
門野はすぐあとを付けた。
夫から約十日許
立てから、漸く講義が始まつた。三四郎が始めて教室へ
這入て、
外の学生と一所に先生の
来るのを
待つてゐた時の心持は実に殊勝なものであつた。
穏坊の
畜生、
此方へ
這入て
来やアがると
肯ねえぞ、
無闇に
這入やアがるとオンボウ
焼いて
押付けるぞ。と
悪体をつきながら
穏坊の
袖の
下を
掻潜つてスーツと
駈出して
行きました。
先刻三千代が
提げて
這入て
来た
百合の花が、依然として
洋卓の
上に
載つてゐる。
甘たるい
強い
香が
二人の
間に立ちつゝあつた。代助は此
重苦しい刺激を鼻の
先に置くに堪へなかつた。
唐繻子の
丸帯を
締め小さい
洋傘を
持て
這入て
来ました。
多くの
黒牛と
白牛が
這入て
来まして