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はいれ
〆切
町内々々の
自身番屋には
鳶の者共火事
裝束にて
詰家主抔も
替り/″\相詰たり數寄屋橋御
見附へ
這入ば常よりも人數
夥多しく天一坊の供
殘ず
繰込を待て御門を
お梅に
持せ平兵衞同道にて奉行所の
屋敷近邊まで
附添行那の門より
這入と教へて立歸りしかばお梅は
素足に成りて奉行所の門より
訴訟所へ行き御願ひ申上ますと云ふに役人是を
聞町役人を
やがて
足駄の
歯入、
鋏磨、紅梅の井戸端に
砥石を据ゑ、
木槿の垣根に
天秤を下ろす。目黒の
筍売、雨の日に
蓑着て若柳の台所を覗くも
床しや。