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洗
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あら
ふりがな文庫
“
洗
(
あら
)” の例文
また、
小川
(
おがわ
)
に
連
(
つ
)
れていって、ボンを
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れて
毛
(
け
)
を
洗
(
あら
)
ってやったりして、ボンを
喜
(
よろこ
)
ばせるのをも
楽
(
たの
)
しみの一つとしているのです。
少年の日の悲哀
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鍬
(
くは
)
を
擔
(
かつ
)
いで
遺跡
(
ゐせき
)
さぐりに
歩
(
ある
)
き、
貝塚
(
かひづか
)
を
泥
(
どろ
)
だらけに
成
(
な
)
つて
掘
(
ほ
)
り、
其
(
その
)
掘出
(
ほりだ
)
したる
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
を
背負
(
せお
)
ひ、
然
(
さ
)
うして
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つて
井戸端
(
ゐどばた
)
で
洗
(
あら
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
はて、
何
(
なん
)
の
菜
(
な
)
だ、と
思
(
おも
)
ひながら、
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けようとして、
一
(
ひと
)
つ
咳
(
しはぶき
)
をすると、
此
(
これ
)
は
始
(
はじ
)
めて
心着
(
こゝろづ
)
いたらしく、
菜
(
な
)
を
洗
(
あら
)
ふ
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
が
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
は
夜
(
よ
)
もすがら
靜
(
しづか
)
に
眠
(
ねぶ
)
りて、
今朝
(
けさ
)
は
誰
(
た
)
れより
一
(
いち
)
はな
懸
(
が
)
けに
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
し、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
かみ
)
を
撫
(
な
)
でつけて
着物
(
きもの
)
もみづから
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りしを
取出
(
とりいだ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
顔をしかめて向こう
脛
(
ずね
)
の
傷
(
きず
)
をあらっている者や、水をくんでゆく者や、たわしで
洗
(
あら
)
い物をする者などで、
井戸
(
いど
)
ばたがこみ合っている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
小僧は
洗
(
あら
)
ひ
立
(
たて
)
の顔をしてパデレウスキイの前に帰つて来た。音楽家は「よし/\」と言つて銀貨を小僧の濡れた
掌面
(
てのひら
)
に載つけてやつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
Jesu
(
ヂェシュー
)
Maria
(
マリヤ
)
! どれほど
苦
(
にが
)
い
水
(
みづ
)
が
其
(
その
)
蒼白
(
あをじろ
)
い
頬
(
ほゝ
)
をローザラインの
爲
(
ため
)
に
洗
(
あら
)
うたことやら?
幾何
(
どれほど
)
の
鹽辛水
(
しほからみづ
)
を
無用
(
むだ
)
にしたことやら
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
草刈鎌
(
くさかりがま
)
の一
挺
(
ちやう
)
や二
挺
(
ちやう
)
お
前
(
まへ
)
どうするもんぢやない、あつちへ
廻
(
まは
)
つて
足
(
あし
)
でも
洗
(
あら
)
つてさあ」
内儀
(
かみ
)
さんの
口
(
くち
)
もとには
微
(
かす
)
かな
笑
(
わら
)
ひが
浮
(
うか
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
門野
(
かどの
)
が
寐惚
(
ねぼ
)
け
眼
(
まなこ
)
を
擦
(
こす
)
りながら、
雨戸
(
あまど
)
を
開
(
あ
)
けに
出
(
で
)
た時、代助ははつとして、此
仮睡
(
うたゝね
)
から
覚
(
さ
)
めた。世界の半面はもう赤い
日
(
ひ
)
に
洗
(
あら
)
はれてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そんならこれでもお
付
(
つ
)
けなんって。……おっとしまった。きのうかかあが
洗
(
あら
)
ったんで、まるっきり
袂
(
たもと
)
くそがありゃァしねえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
洗
(
あら
)
ひ居る者あるに付
能々
(
よく/\
)
見るに同長屋の勘太郎と申者なれば
怪敷
(
あやしく
)
思
(
おも
)
ひながら
空知
(
そしら
)
ぬ
振
(
ふり
)
に罷在し所右の勘太郎
急
(
きふ
)
に二三十兩掛て
造作
(
ざうさく
)
を致し道具を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分
(
じぶん
)
はこれから
修行
(
しゅぎょう
)
を
積
(
つ
)
んで、
斯
(
こ
)
んな
立派
(
りっぱ
)
な
神様
(
かみさま
)
のお
相手
(
あいて
)
をしてもあまり
恥
(
はず
)
かしくないように、一
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
を
洗
(
あら
)
い
浄
(
きよ
)
めねばならない……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
昨年
(
さくねん
)
の十二
月
(
ぐわつ
)
芝愛宕下
(
しばあたごした
)
桜川町
(
さくらがはちやう
)
へ
越
(
こ
)
しまして、
此春
(
このはる
)
は
初湯
(
はつゆ
)
に
入
(
はい
)
りたいと
存
(
ぞん
)
じ、つい
近辺
(
きんぺん
)
の
銭湯
(
せんたう
)
にまゐりまして「
初湯
(
はつゆ
)
にも
洗
(
あら
)
ひのこすや
臍
(
へそ
)
のあか」
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
賓頭盧尊者
(
びんづるそんじや
)
の
像
(
ざう
)
がどれだけ
尊
(
たつと
)
いものか
存
(
ぞん
)
ぜずにいたしたことゝ
見
(
み
)
えます。
唯今
(
たゞいま
)
では
厨
(
くりや
)
で
僧共
(
そうども
)
の
食器
(
しよくき
)
を
洗
(
あら
)
はせてをります。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さて
晒
(
さら
)
しやうは
縮
(
ちゞみ
)
にもあれ糸にもあれ、一夜
灰汁
(
あく
)
に
浸
(
ひた
)
しおき、
明
(
あけ
)
の
朝
(
あした
)
幾度
(
いくたび
)
も水に
洗
(
あら
)
ひ
絞
(
しぼ
)
りあげてまへのごとくさらす也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
殊
(
こと
)
にその泥岩
層
(
そう
)
は、川の水の
増
(
ま
)
すたんび、
奇麗
(
きれい
)
に
洗
(
あら
)
われるものですから、何とも
云
(
い
)
えず青白くさっぱりしていました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そうだ、そうしてバルブレンのおっかあがさざ波を立てている小川へ出て、いま
洗
(
あら
)
ったばかりの
布
(
ぬの
)
を外へ
干
(
ほ
)
している。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
前足
(
まへあし
)
を
舐
(
な
)
めたり、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
つたりしてゐるの——
飼
(
か
)
つて
見
(
み
)
れば
可愛
(
かあい
)
いものよ——
鼠捕
(
ねずみと
)
りの
名人
(
めいじん
)
だわ——オヤ、
御免
(
ごめん
)
よ!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
若者
(
わかもの
)
は、
下男
(
げなん
)
の
姿
(
すがた
)
が
遠
(
とお
)
くに
見
(
み
)
えなくなるまで
見送
(
みおく
)
りました。それからそこの
清水
(
しみず
)
で
手
(
て
)
を
洗
(
あら
)
いきよめて、
長谷寺
(
はせでら
)
の
観音
(
かんのん
)
さまの
方
(
ほう
)
に
向
(
む
)
いて手を
合
(
あ
)
わせながら
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
峠
(
たうげ
)
を
下
(
くだ
)
ると『
多田御社道
(
ただおんしやみち
)
』の
石標
(
せきへう
)
が
麥畑
(
むぎばたけ
)
の
畦
(
あぜ
)
に
立
(
た
)
つて、
其處
(
そこ
)
を
曲
(
まが
)
れば、
路
(
みち
)
はまた
山川
(
やまがは
)
の
美
(
うつく
)
しい
水
(
みづ
)
に
石崖
(
せきがい
)
の
裾
(
すそ
)
を
洗
(
あら
)
はれてゐた。
川
(
かは
)
に
附
(
つ
)
いて
路
(
みち
)
はまた
曲
(
まが
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
モイセイカは
今日
(
けふ
)
は
院長
(
ゐんちやう
)
のゐる
爲
(
ため
)
に、ニキタが
遠慮
(
ゑんりよ
)
して
何
(
なに
)
も
取返
(
とりかへ
)
さぬので、
貰
(
もら
)
つて
來
(
き
)
た
雜物
(
ざふもつ
)
を、
自分
(
じぶん
)
の
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
洗
(
あら
)
ひ
浚
(
ざら
)
ひ
廣
(
ひろ
)
げて、一つ/\
並
(
なら
)
べ
初
(
はじ
)
める。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兼吉
(
かねきち
)
と
五郎
(
ごろう
)
は
洗
(
あら
)
いものをしている。
花前
(
はなまえ
)
が
例
(
れい
)
の
毅然
(
きぜん
)
たる
態度
(
たいど
)
で
技師
(
ぎし
)
先生のまえにでた。技師はむろん主人と見たので、いささかていねいに用むきを
談
(
だん
)
ずる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「そうかい。そいつは
初耳
(
はつみみ
)
だな。よしきた。その
件
(
けん
)
もなお
念入
(
ねんい
)
りに
洗
(
あら
)
つてみろ。それから
君
(
きみ
)
には、
金魚屋
(
きんぎょや
)
とパチンコ
屋
(
や
)
のことを
調
(
しら
)
べてきてもらいたいんだがね」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
一面の
洗
(
あら
)
い
砂礫
(
じゃり
)
を敷きつめたその坂下御門前に行きついたのは、冬の陽の冷たい朝まだきの五ツ前である。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
此事を言ひて地に
唾
(
つば
)
きし、唾にて土を
和
(
と
)
き、其泥を
瞽者
(
めしひ
)
の目に
塗
(
ぬ
)
り、彼に曰ひけるは、シロアムの池に往きて
洗
(
あら
)
へ。彼則ち往きて洗ひ、目見ることを得て帰れり。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
下人
(
げにん
)
は七段ある石段の一番上の
段
(
だん
)
に
洗
(
あら
)
ひざらした
紺
(
こん
)
の
襖
(
あを
)
の尻を据ゑて、右の頬に出來た、大きな
面皰
(
にきび
)
を氣にしながら、ぼんやり、
雨
(
あめ
)
のふるのを
眺
(
なが
)
めてゐるのである。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
百
姓
(
せう
)
のお
上
(
かみ
)
さんが
河端
(
かわばた
)
で
芋
(
いも
)
を
洗
(
あら
)
つてをりました。そこを
通
(
とほ
)
りかけた
乞食
(
こじき
)
のやうな
坊
(
ぼう
)
さんがその
芋
(
いも
)
をみて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
すると、あちらの壁が無惨にくり抜かれてあつて、
洗
(
あら
)
ひ
晒
(
ざら
)
しの
浴衣地
(
ゆかたぢ
)
をカーテンみたいにしたのが、汚く垂れさがつてゐ、隣家の二階と通じてゐるのが分つたのである。
釜ヶ崎
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
我
(
わ
)
が
朝日新聞社員
(
あさひしんぶんしやゐん
)
横川勇次氏
(
よこかはゆうじし
)
を送らんと、
朝
(
あさ
)
未明
(
まだき
)
に
起
(
おき
)
出
(
いで
)
て、
顔
(
かほ
)
洗
(
あら
)
ふ
間
(
ま
)
も心せはしく車を
急
(
いそが
)
せて
向島
(
むかふじま
)
へと
向
(
むか
)
ふ、
常
(
つね
)
にはあらぬ
市中
(
しちう
)
の
賑
(
にぎ
)
はひ、三々五々
勇
(
いさ
)
ましげに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふて
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
世の
果
(
はて
)
は
何處
(
いづこ
)
とも知らざれば、
亡
(
な
)
き人の
碑
(
しるし
)
にも
萬代
(
よろづよ
)
かけし小松殿内府の
墳墓
(
ふんぼ
)
、見上ぐるばかりの石の面に彫り刻みたる淨蓮大禪門の五字、
金泥
(
きんでい
)
の
色
(
いろ
)
洗
(
あら
)
ひし如く猶ほ
鮮
(
あざやか
)
なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「目黒の親分、これには深いわけがありさうですぜ。兎に角女の身元を
洗
(
あら
)
つて見て下さい」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
緑青
(
ろくしょう
)
がいっぱいついている
上
(
うえ
)
に、
頂
(
いただき
)
の
方
(
ほう
)
には
埃
(
ほこり
)
がつもっているので、かなりきたなかった。
庵主
(
あんじゅ
)
さんと、よく
尼寺
(
あまでら
)
の
世話
(
せわ
)
をするお
竹
(
たけ
)
婆
(
ばあ
)
さんとが、
縄
(
なわ
)
をまるめてごしごしと
洗
(
あら
)
った。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
朝鮮古渡りの
逸品
(
いっぴん
)
だけに、焼きのぐあいがしっとりとおちつき、
上薬
(
うわぐすり
)
の流れは、水ぬるむ春の小川……
芹
(
せり
)
の根を
洗
(
あら
)
うそのせせらぎが聞こえるようだと申しましょうか、それとも
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
モンクスは緑のパンツ、
富田
(
とみた
)
六
段
(
だん
)
は
洗
(
あら
)
い清めた
柔道着
(
じゅうどうぎ
)
に
黒帯姿
(
くろおびすがた
)
、
審判
(
しんぱん
)
のアメリカ人がモンクスのグラブを富田六段にさわらして、グラブの中になんにもはいっていないことをしめす。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
梯子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
ると、
廊下
(
らうか
)
の
片側
(
かたがは
)
に
顔
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ふ
流
(
なが
)
し
場
(
ば
)
と
便所
(
べんじよ
)
の
杉戸
(
すぎど
)
があり、
片側
(
かたがは
)
には三
畳
(
でふ
)
と六
畳
(
でふ
)
の
座敷
(
ざしき
)
が
三間
(
みま
)
ほど、いづれも
客
(
きやく
)
があるらしく
閉
(
し
)
め
切
(
き
)
つた
襖
(
ふすま
)
の
外
(
そと
)
にスリツパが
㧞
(
ぬ
)
ぎ
捨
(
す
)
てゝある。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
『
叔父
(
おぢ
)
さん、
私
(
わたくし
)
はもう
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
つて
來
(
き
)
ましてよ。』と、
睡醒
(
ねざめ
)
に
澁
(
しぶ
)
る
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
仰
(
あほ
)
いだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今ちょッと遊びにでも来た者のような気がした,するとまた娘の姿が自分の目には、
洗
(
あら
)
い
晒
(
ざら
)
しの
針目衣
(
はりめぎぬ
)
を着て、
茜木綿
(
あかねもめん
)
の
襷
(
たすき
)
を掛けて、糸を採ッたり
衣
(
きぬ
)
を織ッたり、
濯
(
すす
)
ぎ洗濯、きぬた打ち
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
洗
(
あら
)
いざらしという五、六尺の
布切
(
ぬのぎ
)
れを、
路
(
みち
)
のそばの地蔵さんの前などに張っておいて、通行の人に水をそそぎかけてもらうことは、ほかの地方も同じであるが、この布をまた
一夜機
(
いちやばた
)
としょうして
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
總
(
すべ
)
て
肌着
(
はだぎ
)
は
日々
(
ひゞ
)
洗
(
あら
)
ひ、
夜着
(
よぎ
)
は六七
日
(
にち
)
毎
(
ごと
)
に
干
(
ほ
)
すべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
ドスは
倒
(
たふ
)
された
同志
(
どうし
)
の
血
(
ち
)
を
洗
(
あら
)
ふだらう
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
それをもて
洗
(
あら
)
へば心
戯
(
おど
)
けたくなれり
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
盃
(
さかづき
)
を
洗
(
あら
)
ひて
待
(
ま
)
ちね
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
さかんに
燃
(
も
)
えていた、
西
(
にし
)
の
海
(
うみ
)
の
炎
(
ほのお
)
が、いつしか
波
(
なみ
)
に
洗
(
あら
)
われて、うすくなったと
思
(
おも
)
うと、
窓
(
まど
)
から
見
(
み
)
える
空
(
そら
)
も、
暗
(
くら
)
くなりかけていました。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いや、
何
(
なに
)
か
申
(
まを
)
す
内
(
うち
)
に、ハヤこれは
笹
(
さゝ
)
の
雪
(
ゆき
)
に
着
(
つ
)
いて
候
(
さふらふ
)
が、
三時
(
さんじ
)
すぎにて
店
(
みせ
)
はしまひ、
交番
(
かうばん
)
の
角
(
かど
)
について
曲
(
まが
)
る。この
流
(
ながれ
)
に
人
(
ひと
)
集
(
つど
)
ひ
葱
(
ねぎ
)
を
洗
(
あら
)
へり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おつぎは
浴衣
(
ゆかた
)
をとつて
襦袢
(
じゆばん
)
一
(
ひと
)
つに
成
(
な
)
つて、
笊
(
ざる
)
に
水
(
みづ
)
を
切
(
き
)
つて
置
(
お
)
いた
糯米
(
もちごめ
)
を
竈
(
かまど
)
で
蒸
(
む
)
し
始
(
はじ
)
めた。
勘次
(
かんじ
)
は
裸
(
はだか
)
で
臼
(
うす
)
や
杵
(
きね
)
を
洗
(
あら
)
うて
檐端
(
のきば
)
に
据
(
す
)
ゑた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ペッ、ペッ、口のつばきを
吐
(
は
)
きちらして、こんどは、
洗
(
あら
)
いかけていた
焔硝
(
えんしょう
)
いぶりの顔のしずくを
両方
(
りょうほう
)
の
袖
(
そで
)
で
拭
(
ふ
)
きまわしている……。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
冗談
(
じょうだん
)
じゃねえ。おせんちゃんは、
師匠
(
ししょう
)
に
頼
(
たの
)
まれて、おいらが
呼
(
よ
)
びに
行
(
い
)
ったんだぜ。——おめえはまだ、
顔
(
かお
)
を
洗
(
あら
)
わねえんだの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
倦怠
(
けんたい
)
は
彼等
(
かれら
)
の
意識
(
いしき
)
に
眠
(
ねむり
)
の
樣
(
やう
)
な
幕
(
まく
)
を
掛
(
か
)
けて、
二人
(
ふたり
)
の
愛
(
あい
)
をうつとり
霞
(
かす
)
ます
事
(
こと
)
はあつた。けれども
簓
(
さゝら
)
で
神經
(
しんけい
)
を
洗
(
あら
)
はれる
不安
(
ふあん
)
は
決
(
けつ
)
して
起
(
おこ
)
し
得
(
え
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
乘行
(
のせゆき
)
夜
(
よ
)
丑刻過
(
やつどきすぎ
)
に歸り候處町内の天水桶にて
刄物
(
はもの
)
を
洗
(
あら
)
ふ者あり
其形容
(
そのかたち
)
勘太郎に
髣髴
(
よくに
)
たりとは存じながら私し
共
(
ども
)
見屆けるにも及ばざる事ゆゑ路次を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『やア、
僕
(
ぼく
)
は
今
(
いま
)
、フアーマーをして
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
だ。まア
上
(
あが
)
り
給
(
たま
)
へ。
直
(
ぢ
)
き
足
(
あし
)
を
洗
(
あら
)
ふ。
離座敷
(
はなれざしき
)
は
見晴
(
みはら
)
しが
好
(
い
)
いから』と
客
(
きやく
)
を
好
(
この
)
む。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
洗
常用漢字
小6
部首:⽔
9画
“洗”を含む語句
洗足
手洗鉢
洗湯
洗濯物
洗滌
御手洗
洗面所
洗米
手洗場
洗濯婆
洗濯
手洗
洗濯屋
洗濯女
洗出
手洗水
洗場
洗流
洗物
洗濯婦
...