あろ)” の例文
山寺の一室に行李こうりいた宣揚は、遠く本堂の方かられて来る勤行ごんぎょうの声に心を澄まし、松吹く風に耳をあろうて読書三昧ざんまいに入ろうとしたが
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「——かりに眼エが悪いとしたら、このお地蔵さんの眼エに水掛けて、あろたら良うなるし、胸の悪い人やったら、胸のとこたわしで撫でたらよろしおますねん」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「君ちゃん、あんたいつまで足あろてなはんネ。水は只やあらへんぜ。冷えたらどないすんねん。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「——いつまで、あんた足あろてなはんネ、水は只やあらへんぜ。冷えこんだらどないすんねん?」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)