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顏容
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かほかたち
ふりがな文庫
“
顏容
(
かほかたち
)” の例文
新字:
顔容
男のくせに、非凡の
媚
(
こび
)
です。聲は
顏容
(
かほかたち
)
に似ぬバリトーンで、少し太く錆びて居りますが、それが又快く異性などに響くのでせう。
銭形平次捕物控:279 持参千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉野は
顏容
(
かほかたち
)
些
(
ちつ
)
とも似ては居ないが、その笑ふ時の目尻の皺が、怎うやら、死んだ浩一——靜子の許嫁——を思ひ出させた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
唯〻
劒
(
つるぎ
)
に切らん影もなく、弓もて射ん
的
(
まと
)
もなき心の敵に向ひて、そも
幾
(
いく
)
その苦戰をなせしやは、父上、此の
顏容
(
かほかたち
)
のやつれたるにて御推量下されたし。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
美しさに缺けたところもなく、何の缺點も眼に入らない。その若い娘は
整
(
とゝの
)
つた纖細な
顏容
(
かほかたち
)
を持つてゐた。眼は美しい繪に見るやうな大きい、濃い色の、張りのある形と色とだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
婦人
(
をんな
)
二人
(
ふたり
)
は
何時
(
いつ
)
も
違
(
ちが
)
はぬ、
顏容
(
かほかたち
)
に
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
らず、
些
(
ちつ
)
とも
變
(
かは
)
らず、
同一
(
おなじ
)
である。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
實は思ひも寄らぬ人に助けられて生き
還
(
かへ
)
り、自分を殺した奴に思ひ知らせ度さに、変り果てた
顏容
(
かほかたち
)
を幸ひ、幽靈のやうに、江戸へ舞ひ戻つた人間で御座います
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『珍らしや瀧口、此程より
病氣
(
いたつき
)
の由にて予が熊野參籠の折より見えざりしが、僅の間に痛く痩せ衰へし其方が
顏容
(
かほかたち
)
、日頃鬼とも組まんず勇士も身内の敵には勝たれぬよな、病は癒えしか』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
身扮
(
みなり
)
は木綿物の至つて質素なもの、手足もひどく荒れて居りますが、
顏容
(
かほかたち
)
は、清潔で上品で陽
焦
(
や
)
けこそして居れ、白粉つ氣の無い健康らしさが好感を持たせます。
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
顏容
(
かほかたち
)
さへ稍〻
窶
(
やつ
)
れて、
起居
(
たちゐ
)
も
懶
(
ものう
)
きがごとく見ゆれども、人に向つて
氣色
(
きしよく
)
の
勝
(
すぐ
)
れざるを喞ちし事もなく、
偶〻
(
たま/\
)
病などなきやと問ふ人あれば、却つて意外の
面地
(
おももち
)
して、常にも増して健かなりと答へけり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
水仕事などに忙しくて、
顏容
(
かほかたち
)
をつくろふ
隙
(
ひま
)
もないらしく、いかにも生れた
生地
(
きぢ
)
のまゝで、それに白粉も紅も知らぬ肌は小麥色を通り越して、赤黒い方に近く、いかにも見すぼらしい娘です。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はチラリと見ただけですが、成程さう言へば、滿更の乞食ではないらしく、
身扮
(
みなり
)
も自墮落ではあつたにしても、そんなにひどいものではなく、
顏容
(
かほかたち
)
も尋常、身體なども
逞
(
たく
)
ましく見えたのです。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
顏
部首:⾴
18画
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
“顏容”で始まる語句
顏容子
顏容麗美