面貌かおつき)” の例文
飼われている一匹のちんもあって、田舎いなかからの珍客をさもめずらしがるかのように、ちいさなからだと滑稽こっけい面貌かおつきとで廊下のところをあちこちと走り回っている。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と自分の思わくとお浪の思わくとのちがっているのを悲む色をおもてに現しつつ、正直にしかも剛情ごうじょうに云った。その面貌かおつきはまるで小児こどもらしいところの無い、大人おとなびきったびきったものであった。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)