かほ)” の例文
婦人は此言をなしをはりて、わづかにおのれの擧動ののりえたるをさとれりとおぼしく、かほに火の如きくれなゐのぼして席をすべり出でぬ。
四四ふところのたまをうばはれ、挿頭かざしの花を四五嵐にさそはれしおもひ、泣くに涙なく、叫ぶに声なく、あまりに嘆かせたまふままに、火にき、土にはうむる事をもせで、四六かほに臉をもたせ
アントニオよ、わらはを殺せ、妾を殺せ、只だ妾を棄てゝな去りそと、夫人は叫べり。其かほ、其まなじり、其瞻視せんし、其形相ぎやうさう、一として情慾に非ざるものく、しかも猶美しかりき。