顔貌かほ)” の例文
旧字:顏貌
その顔は時と共にだんだんくつきりと浮き出して、じつと彼に向つて両眼を凝らしてゐる。その顔貌かほには、眉にも眼にも口許にも、何一つ魔法使には見覚えがない。
その不思議な見知らぬ顔は、雲の中から、やはりじつと彼を見詰めてゐる。やがて雲が消えると、その見知らぬ顔貌かほは一際はつきりして、その鋭いまなざしを魔法使から離さなかつた。