トップ
>
顏
>
かほ
ふりがな文庫
“
顏
(
かほ
)” の例文
新字:
顔
この夏もお
互
(
たがひ
)
に
旅
(
たび
)
先や何かで久しく
顏
(
かほ
)
を合せなかつた二人、さて新秋になると、
向
(
むか
)
うは
熱
(
あた
)
海で
勉強
(
べんけう
)
して大に
強
(
つよ
)
くなつたと自
信
(
しん
)
を持ち
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
漸
(
やうや
)
くほつとした
心
(
こころ
)
もちになつて、
卷煙草
(
まきたばこ
)
に
火
(
ひ
)
をつけながら、
始
(
はじめ
)
て
懶
(
ものう
)
い
睚
(
まぶた
)
をあげて、
前
(
まへ
)
の
席
(
せき
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
してゐた
小娘
(
こむすめ
)
の
顏
(
かほ
)
を一
瞥
(
べつ
)
した。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
はて、
何
(
なん
)
の
菜
(
な
)
だ、と
思
(
おも
)
ひながら、
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けようとして、
一
(
ひと
)
つ
咳
(
しはぶき
)
をすると、
此
(
これ
)
は
始
(
はじ
)
めて
心着
(
こゝろづ
)
いたらしく、
菜
(
な
)
を
洗
(
あら
)
ふ
其
(
そ
)
の
婦
(
をんな
)
が
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
は
夜
(
よ
)
もすがら
靜
(
しづか
)
に
眠
(
ねぶ
)
りて、
今朝
(
けさ
)
は
誰
(
た
)
れより
一
(
いち
)
はな
懸
(
が
)
けに
目
(
め
)
を
覺
(
さま
)
し、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ひ
髮
(
かみ
)
を
撫
(
な
)
でつけて
着物
(
きもの
)
もみづから
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りしを
取出
(
とりいだ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
曾祖母
(
ひいばあ
)
さん、
祖父
(
おぢい
)
さん、
祖母
(
おばあ
)
さん、
伯父
(
おぢ
)
さん、
伯母
(
おば
)
さんの
顏
(
かほ
)
から、
奉公
(
ほうこう
)
するお
雛
(
ひな
)
の
顏
(
かほ
)
まで、
家中
(
うちぢう
)
のものゝ
顏
(
かほ
)
は
焚火
(
たきび
)
に
赤
(
あか
)
く
映
(
うつ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
何
(
なん
)
となく
心配
(
しんぱい
)
さうな
顏
(
かほ
)
で、
左樣々々
(
さやう/\
)
、
々々
(
/\
)
、と、
打濕
(
うちしめ
)
つて
云
(
い
)
つてるかと
思
(
おも
)
ふと、やれヴオツカを
止
(
よ
)
せの、
麥酒
(
ビール
)
を
止
(
や
)
めろのと
勸
(
すゝめ
)
初
(
はじ
)
める。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『お
絹
(
きぬ
)
さん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げた。お
絹
(
きぬ
)
はにつこり
笑
(
わら
)
つて、さつと
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
めて、
禮
(
れい
)
をした。
人
(
ひと
)
と
車
(
くるま
)
との
間
(
あひだ
)
は
見
(
み
)
る/\
遠
(
とほ
)
ざかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
譽
(
ほ
)
められても
嬉
(
うれ
)
しくはないぞ。
玄竹
(
げんちく
)
、それより
何
(
なに
)
か
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はなし
)
でもせんか。』と、
但馬守
(
たじまのかみ
)
の
顏
(
かほ
)
には、どうも
冴
(
さ
)
え
切
(
き
)
らぬ
色
(
いろ
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
『お
前
(
まへ
)
は
亞尼
(
アンニー
)
とか
云
(
い
)
つたねえ、
何
(
なん
)
の
用
(
よう
)
かね。』と
私
(
わたくし
)
は
靜
(
しづ
)
かに
問
(
と
)
ふた。
老女
(
らうぢよ
)
は
虫
(
むし
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で『
賓人
(
まれびと
)
よ。』と
暫時
(
しばし
)
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そこへ
往
(
い
)
て、
昏
(
くら
)
まぬ
目
(
め
)
で、
予
(
わし
)
が
見
(
み
)
する
或
(
ある
)
顏
(
かほ
)
とローザラインのとをお
見比
(
みくら
)
べあったら、
白鳥
(
はくてう
)
と
思
(
おも
)
うてござったのが
鴉
(
からす
)
のやうにも
見
(
み
)
えうぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
取出し見れば
最早
(
もはや
)
顏
(
かほ
)
に
劔難
(
けんなん
)
の
相
(
さう
)
顯
(
あらは
)
れたれば然ば明日は病氣と
僞
(
いつは
)
り供を除き
捕手
(
とりて
)
の向はぬ内に
切腹
(
せつぷく
)
すべしと
覺悟
(
かくご
)
を極め大膳の
許
(
もと
)
へ
使
(
つかひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然
(
さ
)
うして、
何
(
な
)
んだツて
馬鹿
(
ばか
)
な、
土方
(
どかた
)
の
眞似
(
まね
)
見
(
み
)
たいな
事
(
こと
)
を
爲
(
す
)
るんだらうと
言
(
い
)
ふ
侮辱的
(
ぶぢよくてき
)
の
顏
(
かほ
)
が、あり/\と
焚火
(
たきび
)
の
煙
(
けむり
)
の
間
(
あひだ
)
から
見
(
み
)
えるのである。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其間
(
そのあひだ
)
に
顏
(
かほ
)
を
合
(
あは
)
せる
事
(
こと
)
があつても、
口
(
くち
)
では
其事
(
そのこと
)
は
何
(
な
)
んにも
云
(
い
)
はない。そして
内
(
うち
)
に
歸
(
かへ
)
つてから
葉書
(
はがき
)
を
出
(
だ
)
す。チヨイト
面白
(
おもしろ
)
いものだよ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「あゝ
奇麗
(
きれい
)
になつた。
何
(
ど
)
うも
食
(
く
)
つた
後
(
あと
)
は
汚
(
きた
)
ないものでね」と
宗助
(
そうすけ
)
は
全
(
まつた
)
く
食卓
(
しよくたく
)
に
未練
(
みれん
)
のない
顏
(
かほ
)
をした。
勝手
(
かつて
)
の
方
(
はう
)
で
清
(
きよ
)
がしきりに
笑
(
わら
)
つてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
の
顏
(
かほ
)
に
驕
(
をご
)
りと
得意
(
とくい
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて、ある
不快
(
ふくわい
)
な
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
のために
苦々
(
にが/\
)
しく
左
(
ひだり
)
の
頬
(
ほゝ
)
の
痙攣
(
けいれん
)
を
起
(
おこ
)
してゐる。
彼女
(
かのぢよ
)
は
起
(
た
)
つて
行
(
い
)
く。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
病人
(
びやうにん
)
はK
夫人
(
ふじん
)
の
顏
(
かほ
)
の
下
(
した
)
で、
小兒
(
こども
)
のやうに
顎
(
あご
)
で
頷
(
うなづ
)
いて
見
(
み
)
せた。
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
一束
(
ひとたば
)
にした
髮
(
かみ
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
を一
層
(
そう
)
少女
(
せうぢよ
)
らしく
痛々
(
いた/\
)
しく
見
(
み
)
せた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
跡
(
あと
)
を
見送
(
みおく
)
つてゐる
閭
(
りよ
)
が
周圍
(
しうゐ
)
には、
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
盛
(
も
)
つてゐた
僧
(
そう
)
等
(
ら
)
が、ぞろ/\と
來
(
き
)
てたかつた。
道翹
(
だうげう
)
は
眞蒼
(
まつさを
)
な
顏
(
かほ
)
をして
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
んでゐた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「おゝ
痛
(
いて
)
えまあ」と
顏
(
かほ
)
を
蹙
(
しか
)
めて
引
(
ひ
)
かれる
儘
(
まゝ
)
に
首
(
くび
)
を
傾
(
かたぶ
)
けていつた。
亂
(
みだ
)
れた
髮
(
かみ
)
の
三筋
(
みすぢ
)
四筋
(
よすぢ
)
が
手拭
(
てぬぐひ
)
と
共
(
とも
)
に
強
(
つよ
)
く
引
(
ひ
)
かれたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大
(
おほ
)
きくなるにしたがつて
少女
(
をとめ
)
の
顏
(
かほ
)
かたちはます/\
麗
(
うるは
)
しくなり、とてもこの
世界
(
せかい
)
にないくらゐなばかりか、
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
が
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
きました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
まだ
顏
(
かほ
)
は見えぬけれど着物の色
彩
(
さい
)
で少女と知れる
姿
(
すがた
)
が現はれると、自分の
愛
(
あい
)
人ではないかと思つて見たりするのである。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
『一ッ
車
(
くるま
)
、
何
(
なん
)
だらう?』とは
思
(
おも
)
つたものゝ
考
(
かんが
)
へてる
隙
(
ひま
)
もなく、
軈
(
やが
)
て
砂礫
(
されき
)
の
雨
(
あめ
)
が
窓
(
まど
)
に
降
(
ふ
)
りかゝると
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、二三
人
(
にん
)
して
愛
(
あい
)
ちやんの
顏
(
かほ
)
を
打擲
(
ちやうちやく
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
みゝづくはとらふづくの
類
(
るい
)
で、
獸
(
けもの
)
のような
顏
(
かほ
)
で、
耳
(
みゝ
)
のようなものが
立
(
た
)
つてゐます。しかしこれは
耳
(
みゝ
)
たぶではなく、
實
(
じつ
)
は
毛
(
け
)
が
立
(
た
)
つてゐるだけなのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
件の僧は暫したゝずみて訝しげに見送れば、焚きこめし
異香
(
いきやう
)
、吹き
來
(
く
)
る風に時ならぬ春を匂はするに、俄に
忌
(
いま
)
はしげに
顏
(
かほ
)
背
(
そむ
)
けて
小走
(
こばし
)
りに立ち去りぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
そして、
一
(
ひと
)
かど、
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んで、
眞面目
(
まじめ
)
な
顏
(
かほ
)
をして、
一寸
(
ちよつと
)
、
待
(
ま
)
つて
頂戴
(
ちやうだい
)
、
待
(
ま
)
つて
頂戴
(
ちやうだい
)
つたら、と
喧嘩
(
けんくわ
)
してゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
おしやれな
娘兎
(
むすめうさぎ
)
のこととて、でかけるまでには
谿川
(
たにがは
)
へ
下
(
を
)
りて
顏
(
かほ
)
をながめたり、からだ
中
(
ぢう
)
の
毛
(
け
)
を一
本
(
ぽん
)
一
本
(
ぽん
)
、
綺麗
(
きれい
)
に
草
(
くさ
)
で
撫
(
な
)
でつけたり、
稍
(
やゝ
)
、
半日
(
はんにち
)
もかかりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
子供
(
こども
)
の
兩足
(
りようあし
)
を
捕
(
とら
)
へて
倒
(
さか
)
さにつるし、
顏
(
かほ
)
を
外
(
そと
)
に
向
(
む
)
けて、
膝
(
ひざ
)
もて
背
(
せなか
)
を
撞
(
つ
)
くと
云
(
い
)
ふのですさうすれば、
曾
(
かつ
)
ての
實驗
(
じつけん
)
に
依
(
よつ
)
て
出
(
で
)
るから、
之
(
これ
)
を
遣
(
や
)
ツて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れと
熱心
(
ねつしん
)
に
勸
(
すゝ
)
めました
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
そして
顏
(
かほ
)
には
赤
(
あか
)
い
紅
(
べに
)
を
塗
(
ぬ
)
つたのだとか、
少
(
すこ
)
し
口元
(
くちもと
)
を
歪
(
ゆが
)
めて
悲
(
かな
)
しそうな
表情
(
ひようじよう
)
をしたものもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「
然
(
さ
)
うだね。
僕
(
ぼく
)
は何んだか
胸苦
(
むなぐる
)
しくなツて
來
(
き
)
たよ。」と儚ないやうな
顏
(
かほ
)
をしていふ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
自分
(
じぶん
)
の
病氣
(
びやうき
)
はその
後
(
ご
)
上京
(
じやうきやう
)
して、すぐに
結核性
(
けつかくせい
)
の
關節炎
(
くわんせつえん
)
だといふ
事
(
こと
)
がわかつたのだと、まち
子
(
こ
)
は、ふと
夫
(
をつと
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ながら
考
(
かんが
)
へた。その
時
(
とき
)
、まち
子
(
こ
)
はもはや
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
ることが
出來
(
でき
)
なかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
それで
神々
(
かみ/\
)
の
内
(
うち
)
で
別段
(
べつだん
)
異樣
(
いやう
)
な
相
(
さう
)
をしたものはない。
猿田彦命
(
さるたひこのみこと
)
が
鼻
(
はな
)
が
高
(
たか
)
いとか、
天鈿目命
(
あまのうづめのみこと
)
が
顏
(
かほ
)
がをかしかつたといふ
位
(
くらゐ
)
のものである。
又
(
また
)
化物思想
(
ばけものしさう
)
を
具體的
(
ぐたいてき
)
に
現
(
あら
)
はした
繪
(
ゑ
)
も
餘
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
くはない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
帽子
(
ばうし
)
も冠らないのだからそれに
打
(
ぶ
)
つかると、
顏
(
かほ
)
へでも手へでもぢきたかられる。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
其
(
そ
)
の
諫説
(
かんぜい
)
して
君
(
きみ
)
の
顏
(
かほ
)
を
犯
(
をか
)
すに
至
(
いた
)
つては、
此
(
こ
)
れ
所謂
(
いはゆる
)
進
(
すす
)
みては
忠
(
ちう
)
を
盡
(
つく
)
すを
思
(
おも
)
ひ、
退
(
しりぞ
)
いては
過
(
あやまち
)
を
補
(
おぎな
)
ふを
思
(
おも
)
ふ
者
(
もの
)
なる
哉
(
かな
)
。
(七三)
假令
(
もし
)
晏子
(
あんし
)
にして
在
(
あ
)
らば、
余
(
よ
)
之
(
これ
)
が
爲
(
た
)
めに
鞭
(
むち
)
を
執
(
と
)
ると
雖
(
いへど
)
も
忻慕
(
きんぼ
)
する
所
(
ところ
)
なり。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
が
時々
(
とき/″\
)
、もっとよい
暮
(
くら
)
しがしたいといふ
氣持
(
きも
)
ちが
起
(
おこ
)
らなくもありません。それは
多
(
おほ
)
くは
家族
(
かぞく
)
のものたちが、
主人
(
しゆじん
)
に
訴
(
うつた
)
へる
場合
(
ばあひ
)
、
或
(
あるひ
)
はさういふ
心持
(
こゝろも
)
ちを
顏
(
かほ
)
に
現
(
あらは
)
してゐる
場合
(
ばあひ
)
に
起
(
おこ
)
つて
來
(
く
)
る
氣持
(
きも
)
ちなのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
天
(
あま
)
つ
顏
(
かほ
)
ばせ、
大御身
(
おほみま
)
の
嚴
(
いづ
)
のひかりを。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
秋晴
(
あきばれ
)
やおしろい
燒
(
やけ
)
の
顏
(
かほ
)
の
皺
(
しわ
)
荷風翁の発句
(旧字旧仮名)
/
伊庭心猿
(著)
ひよつくり
山猿
(
やまざる
)
・
赤
(
あか
)
い
顏
(
かほ
)
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
とくなが
顏
(
かほ
)
は
蒼
(
あを
)
みたり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
まつかな
顏
(
かほ
)
して
歌時計:童謡集
(旧字旧仮名)
/
水谷まさる
(著)
御酒
(
ごしゆ
)
をめし
上
(
あが
)
つたからとて
快
(
こゝろよく
)
くお
醉
(
ゑ
)
ひになるのではなく、いつも
蒼
(
あを
)
ざめた
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして、
何時
(
いつ
)
も
額際
(
ひたひぎは
)
に
青
(
あを
)
い
筋
(
すぢ
)
が
顯
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
りました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
女中
(
ねえ
)
や、お
手柔
(
てやはら
)
かに
頼
(
たの
)
むぜ。」と
先生
(
せんせい
)
の
言葉
(
ことば
)
の
下
(
した
)
に、ゑみわれたやうな
顏
(
かほ
)
をして、「
惚
(
ほ
)
れた
證據
(
しようこ
)
だわよ。」やや、と
皆
(
みな
)
が
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
る。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それに
他
(
ほか
)
のお
家
(
うち
)
の
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
へは
登
(
のぼ
)
らうと
思
(
おも
)
つても
登
(
のぼ
)
れませんでしたが、
自分
(
じぶん
)
のお
家
(
うち
)
の
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
ばかりは
惡
(
わる
)
い
顏
(
かほ
)
もせずに
登
(
のぼ
)
らせて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
無論
(
むろん
)
です、けれど
本船
(
ほんせん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
眼
(
め
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
に、
情
(
こゝろ
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
です、
一人
(
ひとり
)
は
茫然
(
ぼんやり
)
して
居
(
ゐ
)
ます、
一人
(
ひとり
)
は
知
(
し
)
つて
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
ます。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
アンドレイ、エヒミチは
此
(
こ
)
の
切
(
せつ
)
なる
同情
(
どうじやう
)
の
言
(
ことば
)
と、
其上
(
そのうへ
)
涙
(
なみだ
)
をさへ
頬
(
ほゝ
)
に
滴
(
た
)
らしてゐる
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
顏
(
かほ
)
とを
見
(
み
)
て、
酷
(
ひど
)
く
感動
(
かんどう
)
して
徐
(
しづか
)
に
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
感
(
かん
)
じられしが
態
(
わざ
)
とおせんに向はれ其方は其前より傳吉と
密通
(
みつつう
)
せしと憑司より
申立
(
まをした
)
てしが此儀如何なるやと
問
(
とひ
)
ければおせん少しは
顏
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
紀
(
こつな
)
どのは、
質屋
(
しちや
)
のことを
御存
(
ごぞん
)
じかな。』と、
玄竹
(
げんちく
)
の
機智
(
きち
)
は、
敵
(
てき
)
の
武器
(
ぶき
)
で
敵
(
てき
)
を
刺
(
さ
)
すやうに、
紀
(
こつな
)
の
言葉
(
ことば
)
を
捉
(
とら
)
へて、
紀
(
こつな
)
の
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
を
赧
(
あか
)
くさせた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
高岡軍曹
(
たかをかぐんそう
)
は
暫
(
しばら
)
くみんなの
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
てゐたが、やがて
何時
(
いつ
)
ものやうに
胸
(
むね
)
を
張
(
は
)
つて、
上官
(
じやうくわん
)
らしい
威嚴
(
いげん
)
を
見
(
み
)
せるやうに
一聲
(
ひとこゑ
)
高
(
たか
)
く
咳
(
せき
)
をした。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「えゝ
爲
(
し
)
てよ」と
柱時計
(
はしらどけい
)
を
見
(
み
)
ると、もう
四時
(
よじ
)
近
(
ちか
)
くである。
御米
(
およね
)
は「
四時
(
よじ
)
、
五時
(
ごじ
)
、
六時
(
ろくじ
)
」と
時間
(
じかん
)
を
勘定
(
かんぢやう
)
した。
小六
(
ころく
)
は
默
(
だま
)
つて
嫂
(
あによめ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
てゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ヂュリ さ、
乳母
(
うば
)
いの。……ま、
何
(
なん
)
で
其樣
(
そのやう
)
な
情
(
なさけ
)
ない
顏
(
かほ
)
してゐやる?
悲
(
かな
)
しい
消息
(
しらせ
)
であらうとも、せめて
嬉
(
うれ
)
しさうに
言
(
い
)
うてたも。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
但
(
たゞ
)
し
斯
(
か
)
ういふ
話
(
はなし
)
の
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
は、
餘
(
あま
)
り
遺物
(
ゐぶつ
)
の
出
(
で
)
ない
時
(
とき
)
で、
土器
(
どき
)
の
顏
(
かほ
)
でも
貝層
(
かひさう
)
から
出
(
で
)
やうものなら、
呼吸
(
こきう
)
をするのさへ
忘
(
わす
)
れる
位
(
くらゐ
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
婆樣
(
ばあさん
)
は
上方者
(
かみがたもの
)
ですよ、ツルリンとした
顏
(
かほ
)
の
何處
(
どつか
)
に「
間拔
(
まぬけ
)
の
狡猾
(
かうくわつ
)
」とでも
言
(
い
)
つたやうな
所
(
ところ
)
があつて、ペチヤクリ/\
老爺
(
ぢいさん
)
の
氣嫌
(
きげん
)
を
取
(
とつ
)
て
居
(
ゐ
)
ましたね。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
顏
部首:⾴
18画
“顏”を含む語句
顏色
顏容
笑顏
顏立
容顏
泣顏
聖顏
顏中
横顏
眞顏
瓜實顏
夕顏
赭顏
紅顏
得意顏
顏面
御顏色
顏貌
顏觸
顏料
...