-
トップ
>
-
新床
カピ長
婚儀の
爲にと
準備した一
切が
役目を
變へて
葬儀の
用。
祝ひの
樂は
哀しい
鐘の
音、めでたい
盛宴が
法事の
饗應、
樂しい
頌歌は
哀れな
挽歌、
新床に
撒く
花は
葬る
死骸の
用に
立つ。
パリス (廟の前へ進みて)なつかしい
花の
我妹子、
花を
此新床の
上に
撒いて……あゝ、
天蓋は
石や
土塊……
其撒いた
草花に
夜毎に
香る
水を
注がう。
若しそれが
盡きたなら、
歎きに
搾る
予が
涙を。
もしも
婚禮が
濟んだお
方なら、
墓が
予の
新床とならうも
知れぬ。