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似合
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にあ
ふりがな文庫
“
似合
(
にあ
)” の例文
ふいと
立
(
た
)
つて、「
一所
(
いつしよ
)
に
來
(
き
)
な。」で、
通
(
とほり
)
へ
出
(
で
)
て、
右
(
みぎ
)
の
濱野屋
(
はまのや
)
で、
御自分
(
ごじぶん
)
、めい/\に
似合
(
にあ
)
ふやうにお
見立
(
みた
)
て
下
(
くだ
)
すつたものであつた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私が立派でないと同じ位にあなたも綺麗ぢやないが、しかし困つたやうな容子は君によく
似合
(
にあ
)
ひますよ。それにその方が都合がいゝのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「君、こまるじゃないか。すこしは、こっちのむねの
中
(
うち
)
を察してくれなくちゃ。日ごろ、あたまのいい君にも
似合
(
にあ
)
わないぜ」
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
二人は馬車を雇って、
似合
(
にあ
)
わしい家を捜して歩いた。「別に倹約をしなくても好い、まだ
己
(
おれ
)
の財産が無くなりはしないから」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
「おまえさんには、
黒
(
くろ
)
い
着物
(
きもの
)
がよく
似合
(
にあ
)
うようだ。」といって、お
嬢
(
じょう
)
さまは、
魔術使
(
まじゅつつか
)
いの
女
(
おんな
)
には、
黒
(
くろ
)
い
着物
(
きもの
)
をきせました。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
山谷が驚いて豹一の顔を見ると、怖いほど
蒼白
(
あおじろ
)
み、唇に血がにじんでいた。子供に
似合
(
にあ
)
わぬ
恨
(
うら
)
みの眼がぎらぎらしていた。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
そしてくやしまぎれに、ありもしないことをいろいろとこしらえて、お
姫
(
ひめ
)
さまが
平生
(
へいぜい
)
大臣
(
だいじん
)
のお
娘
(
むすめ
)
に
似合
(
にあ
)
わず、
行儀
(
ぎょうぎ
)
の
悪
(
わる
)
いことをさんざんに
並
(
なら
)
べて
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「とまれーっ。」と
叫
(
さけ
)
びました。からだに
似合
(
にあ
)
わず、太いしゃがれ声を出したので、
見物人
(
けんぶつにん
)
はびっくりしました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
戀人
(
こひゞと
)
は
其
(
その
)
麗
(
うるは
)
しい
身
(
み
)
の
光明
(
ひかり
)
で、
戀路
(
こひぢ
)
の
闇
(
やみ
)
をも
照
(
て
)
らすといふ。
若
(
も
)
し
又
(
また
)
戀
(
こひ
)
が
盲
(
めくら
)
ならば、
夜
(
よる
)
こそ
戀
(
こひ
)
には一
段
(
だん
)
と
似合
(
にあ
)
ふ
筈
(
はず
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
此
(
この
)
僧
(
そう
)
は
若
(
わか
)
いに
似合
(
にあ
)
はず
甚
(
はなは
)
だ
落付
(
おちつ
)
いた
話振
(
はなしぶり
)
をする
男
(
をとこ
)
であつた。
低
(
ひく
)
い
聲
(
こゑ
)
で
何
(
なに
)
か
受答
(
うけこた
)
へをした
後
(
あと
)
で、にやりと
笑
(
わら
)
ふ
具合
(
ぐあひ
)
などは、
丸
(
まる
)
で
女
(
をんな
)
の
樣
(
やう
)
な
感
(
かん
)
じを
宗助
(
そうすけ
)
に
與
(
あた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こう
歌
(
うた
)
うと、
鳥
(
とり
)
は
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を、お
父
(
とう
)
さんの
頸
(
くび
)
のうえへ
落
(
おと
)
しました。その
鎖
(
くさり
)
はすっぽりと
頸
(
くび
)
へかかって、お
父
(
とう
)
さんによく
似合
(
にあ
)
いました。お
父
(
とう
)
さんは
家
(
うち
)
へ
入
(
はい
)
って
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
裁判官
(
さいばんくわん
)
は
序
(
つひ
)
でに、
王樣
(
わうさま
)
がなされました。
王樣
(
わうさま
)
は
鬘
(
かつら
)
の
上
(
うへ
)
に
其
(
そ
)
の
冠
(
かんむり
)
を
戴
(
いたゞ
)
き、
如何
(
いか
)
にも
不愉快
(
ふゆくわい
)
さうに
見
(
み
)
えました、それのみならず、それは
少
(
すこ
)
しも
似合
(
にあ
)
ひませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
するとO君はいつもに
似合
(
にあ
)
はず、
肘掛
(
ひぢか
)
け窓の戸などをしめはじめた。のみならず僕にかう言つて笑つた。
O君の新秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お
前
(
まへ
)
の
祭
(
まつり
)
の
姿
(
なり
)
は
大層
(
たいそう
)
よく
似合
(
にあ
)
つて
浦山
(
うらやま
)
しかつた、
私
(
わたし
)
も
男
(
をとこ
)
だと
彼
(
あ
)
んな
風
(
ふう
)
がして
見
(
み
)
たい、
誰
(
だ
)
れのよりも
宜
(
よ
)
く
見
(
み
)
えたと
賞
(
ほ
)
められて、
何
(
なん
)
だ
己
(
お
)
れなんぞ、お
前
(
まへ
)
こそ
美
(
うつ
)
くしいや
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見ると、すがたに
似合
(
にあ
)
わぬ名刀をさしているので、こいつ一番セシめてやろうと、蚕婆はやなぎの木の上にかくれ、わっしはそしらぬ顔で、なれなれしく話しかけたものです
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ううん、派手なものは私に
似合
(
にあ
)
やしないの。それにそんなものは先へ寄って困るもの。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
柳川君
(
やながはくん
)
、
然
(
さ
)
らば
之
(
これ
)
にてお
別
(
わか
)
れ
申
(
まう
)
すが、
春枝
(
はるえ
)
と
日出雄
(
ひでを
)
の
事
(
こと
)
は
何分
(
なにぶん
)
にも——。』と
彼
(
かれ
)
は
日頃
(
ひごろ
)
の
豪壯
(
がうさう
)
なる
性質
(
せいしつ
)
には
似合
(
にあ
)
はぬ
迄
(
まで
)
、
氣遣
(
きづか
)
はし
氣
(
げ
)
に、
恰
(
あだか
)
も
何者
(
なにもの
)
か
空中
(
くうちゆう
)
に
力強
(
ちからつよ
)
き
腕
(
うで
)
のありて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
とは
何
(
ど
)
うも
能
(
よ
)
く
出来
(
でけ
)
た、
夫
(
それ
)
はさうと君は
大層
(
たいそう
)
好
(
よ
)
い
衣服
(
きもの
)
を
買
(
か
)
うたな、
何所
(
どこ
)
で
買
(
か
)
うた、ナニ
柳原
(
やなぎはら
)
で八十五
銭
(
せん
)
、安いの、
何
(
ど
)
うも
是
(
これ
)
は
色気
(
いろけ
)
が
好
(
よ
)
いの
本当
(
ほんたう
)
に
君
(
きみ
)
は
何
(
なに
)
を着ても
能
(
よ
)
う
似合
(
にあ
)
ふぞ
実
(
じつ
)
に
好男子
(
かうだんし
)
ぢや
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
遊
二
松島
一
記
まつしまにあそぶき
であつたか
鴻斎翁
(
こうさいおう
)
が
始
(
はじめ
)
て
彼
(
かれ
)
の文章を見た時、年の若いに
似合
(
にあ
)
はぬ
筆
(
ふで
)
つきを
怪
(
あやし
)
んで、
剽窃
(
へうせつ
)
したのであらうと
尤
(
とが
)
めたと
云
(
い
)
ふ話を聞きましたが、
漢文
(
かんぶん
)
も
善
(
よ
)
く書いたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「へい、
些
(
ちつ
)
と
爺
(
ぢゞい
)
には
似合
(
にあ
)
ひましねえ、
村
(
むら
)
の
衆
(
しゆ
)
も
笑
(
わら
)
ふでがすが、
八才
(
やつつ
)
ぐれえな
小児
(
こども
)
だね、へい、
菊松
(
きくまつ
)
つて
言
(
い
)
ふでがすよ。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無口
(
むくち
)
な、おとなしそうな
男
(
おとこ
)
に
似合
(
にあ
)
わず、
急
(
きゅう
)
に
怖
(
おそ
)
ろしいけんまくとなりました。
男
(
おとこ
)
は、すぐさま
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
していきました。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、その形は姉のとは
甚
(
ひど
)
く異つてゐた——ずつとすらりとたれて
似合
(
にあ
)
つてゐた——一方のが清教徒めいて見えるだけ、こちらはしやれて見えた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そして
座敷
(
ざしき
)
のまん中に落ちつきはらって
座
(
すわ
)
り、
勿体
(
もったい
)
ぶって考えていましたが、やがてぽんとひざを
叩
(
たた
)
いて、とんまに
似合
(
にあ
)
わないおごそかな声で言いました。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
きみのわるい顔に
似合
(
にあ
)
わず、鬼のお上さんは、ジャックのひもじそうなようすをみて、かわいそうにおもいました。それで、さもこまったように首をふって
ジャックと豆の木
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
正太
(
しようた
)
はじめて
美登利
(
みどり
)
の
袖
(
そで
)
を
引
(
ひ
)
いて
好
(
よ
)
く
似合
(
にあ
)
ふね、いつ
結
(
ゆ
)
つたの
今朝
(
けさ
)
かへ
昨日
(
きのふ
)
かへ
何故
(
なぜ
)
はやく
見
(
み
)
せては
呉
(
く
)
れなかつた、と
恨
(
うら
)
めしげに
甘
(
あま
)
ゆれば、
美登利
(
みどり
)
打
(
うち
)
しほれて
口重
(
くちおも
)
く
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ヂュリ
乳母
(
うば
)
や、一しょに
部屋
(
へや
)
へ
來
(
き
)
て、
明日
(
あす
)
被
(
き
)
ねばならぬ
最
(
いっ
)
ち
似合
(
にあ
)
ふ
晴衣
(
はれぎ
)
を
手傳
(
てつだ
)
うて
撰
(
えら
)
んでくりゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
現にM子さんも始めに
似合
(
にあ
)
わず、妙に真剣な顔をしたまま、やはりK君の側に立っていたのです。
手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
似合
(
にあ
)
ふでせう」と云つた。野々宮さんは何とも云はなかつた。くるりと
後
(
うし
)
ろを向いた。後ろには
畳
(
たゝみ
)
一枚程の大きな画がある。其画は肖像画である。さうして一面に黒い。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
柳
(
やなぎ
)
の
精
(
せい
)
か、
梅
(
うめ
)
の
化身
(
けしん
)
か、声すずしく手は白く、覆面すがたに
似合
(
にあ
)
わないやさしいすがたの者ばかりで、
甲
(
こう
)
、
乙
(
おつ
)
、
丙
(
へい
)
、
丁
(
てい
)
、どの
影
(
かげ
)
もすべて一
体
(
たい
)
の
分身
(
ぶんしん
)
かと思われるほどみなおなじ
背
(
せ
)
かたちだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はははは。きみは、見かけに
似合
(
にあ
)
わず
臆病
(
おくびょう
)
だね。そんなことでは、これからきみに見せたいと思っていたものも、見せられはしない。見ている
最中
(
さいちゅう
)
に
気絶
(
きぜつ
)
なんかされると、やっかいだからね」
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おや/\
鋏
(
はさみ
)
の
音
(
おと
)
をさせた。あつかましい。が、
此
(
これ
)
にも
似合
(
にあ
)
はう……
川柳
(
せんりう
)
の
横本
(
よこぼん
)
を
枕
(
まくら
)
と
斜
(
はす
)
つかけに
仰
(
あふ
)
ぎながら
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ぢや、お化粧を直して坐つてごらんよ。髮は、今晩はそれでいゝわ。あしたの朝、髮ゆひさんへ行つてらつしやい。あんたはきつと結ひ
綿
(
わた
)
が
似合
(
にあ
)
ふわね。」
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
と言ふよりむしろ若い婦人であつた。この人たちには、この着物は
似合
(
にあ
)
はなかつたし、大變綺麗な娘にさへ妙な風采を與へた。私はその娘たちをずつと見てゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
三
枚
(
まい
)
裏
(
うら
)
にして
繻珍
(
しゆちん
)
の
鼻緒
(
はなを
)
といふのを
履
(
は
)
くよ、
似合
(
にあ
)
ふだらうかと
言
(
い
)
へば、
美登利
(
みどり
)
はくす/\
笑
(
わら
)
ひながら、
背
(
せい
)
の
低
(
ひく
)
い
人
(
ひと
)
が
角袖外套
(
かくそでぐわいとう
)
に
雪駄
(
せつた
)
ばき、まあ
何
(
ど
)
んなにか
可笑
(
をか
)
しからう
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これは、
人違
(
ひとちが
)
いでないと
思
(
おも
)
いました。そして、
顔
(
かお
)
に
似合
(
にあ
)
わぬ、なんという、いやな
子
(
こ
)
だろうと
思
(
おも
)
いましたから、おばあさんは、
怖
(
おそ
)
ろしい
目
(
め
)
つきをして、にらんだのでした。
やんま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は
悟
(
さとり
)
といふ
美名
(
びめい
)
に
欺
(
あざむ
)
かれて、
彼
(
かれ
)
の
平生
(
へいぜい
)
に
似合
(
にあ
)
はぬ
冒險
(
ばうけん
)
を
試
(
こゝろ
)
みやうと
企
(
くはだ
)
てたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
槐
(
えんじゅ
)
に張り渡した、この庭には
似合
(
にあ
)
わない、水色のハムモックにもふり
撒
(
ま
)
いている。ハムモックの中に
仰向
(
あおむ
)
けになった、夏のズボンに
胴衣
(
チョッキ
)
しかつけない、
小肥
(
こぶと
)
りの男にもふり撒いている。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
といって、ごちそうをお
盆
(
ぼん
)
にのせて
出
(
だ
)
してくれました。ごちそうは
大
(
たい
)
へんうまかったし、あるじの
様子
(
ようす
)
も
顔
(
かお
)
に
似合
(
にあ
)
わず
親切
(
しんせつ
)
らしいので、三
人
(
にん
)
はすっかり
安心
(
あんしん
)
して、
食
(
た
)
べたり
飲
(
の
)
んだりしていました。
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
實
(
じつ
)
は
何
(
なん
)
です。
私
(
わたし
)
の
主人
(
しゆじん
)
と
言
(
い
)
ひますのが、
身分柄
(
みぶんがら
)
にも
似合
(
にあ
)
はない、せゝツこましい
人
(
ひと
)
でしてね。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
馬鹿
(
ばか
)
なことを
云
(
い
)
ふよそんな
弱
(
よは
)
い
気
(
き
)
だから
病気
(
びやうき
)
がいつまでも
癒
(
なほ
)
りやアしない
君
(
きみ
)
が
心細
(
こゝろぼそ
)
ひ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて
見
(
み
)
たまへ
御父
(
おとつ
)
さんやお
母
(
つか
)
さんがどんなに
心配
(
しんぱい
)
するか
知
(
し
)
れません
孝行
(
かう/\
)
な
君
(
きみ
)
にも
似合
(
にあ
)
はない。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おまえさんには、
青
(
あお
)
い
色
(
いろ
)
がよく
似合
(
にあ
)
うこと。ほんとうに、
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
さんだ。しかし
生
(
う
)
まれはこの
町
(
まち
)
の
人
(
ひと
)
でないようだが、どうして、この
町
(
まち
)
へきましたか。
知
(
し
)
った
人
(
ひと
)
でもおありなさるのかね。
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
うち
)
の
門
(
もん
)
を
入
(
はひ
)
つたら、
玄關
(
げんくわん
)
と
勝手口
(
かつてぐち
)
の
仕切
(
しきり
)
になつてゐる
生垣
(
いけがき
)
の
目
(
め
)
に、
冬
(
ふゆ
)
に
似合
(
にあ
)
はないぱつとした
赤
(
あか
)
いものが
見
(
み
)
えた。
傍
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
つてわざ/\
檢
(
しら
)
べると、それは
人形
(
にんぎやう
)
に
掛
(
か
)
ける
小
(
ちひ
)
さい
夜具
(
やぐ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
角
(
かど
)
の
青木堂
(
あをきだう
)
を
左
(
ひだり
)
に
見
(
み
)
て、
土
(
つち
)
の
眞白
(
まつしろ
)
に
乾
(
かわ
)
いた
橘鮨
(
たちばなずし
)
の
前
(
まへ
)
を……
薄
(
うす
)
い
橙色
(
オレンジいろ
)
の
涼傘
(
ひがさ
)
——
束
(
たば
)
ね
髮
(
がみ
)
のかみさんには
似合
(
にあ
)
はないが、
暑
(
あつ
)
いから
何
(
ど
)
うも
仕方
(
しかた
)
がない——
涼傘
(
ひがさ
)
で
薄雲
(
うすぐも
)
の、しかし
雲
(
くも
)
のない
陽
(
ひ
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さても
好
(
この
)
みの
斯
(
か
)
くまでに
上手
(
じやうず
)
なるか、
但
(
たゞ
)
しは
此人
(
このひと
)
の
身
(
み
)
に
添
(
そ
)
ひし
果報
(
くわはう
)
か、
銀
(
しろかね
)
の
平打
(
ひらうち
)
一つに
鴇色
(
ときいろ
)
ぶさの
根掛
(
ねがけ
)
むすびしを、
優
(
いう
)
にうつくしく
似合
(
にあ
)
ひ
給
(
たま
)
へりと
見
(
み
)
れば、
束髮
(
そくはつ
)
さしの
花
(
はな
)
一輪
(
いちりん
)
も
中々
(
なか/\
)
に
愛
(
あい
)
らしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「あの、
青
(
あお
)
っぽい
着物
(
きもの
)
が、ばかに
似合
(
にあ
)
っている。」
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
似合
(
にあ
)
ひます。」
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
似
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“似合”で始まる語句
似合谷
似合頃