“のが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
41.7%
23.0%
14.1%
11.6%
5.5%
1.0%
0.7%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
野駆0.3%
野駈0.3%
解脱0.1%
退0.1%
野驅0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“ワシントン、一夜のうちに崩壊ほうかいす——白堊館最初に犠牲ぎせいとなる。危機一髪、ル大統領、身を以てのがれる。崩壊事件の真相全く不明”
法師丸は間一髪のところをのがれてまだ外囲いの篠垣を越えないうちに、方々の櫓や望楼から貝や太鼓を一時に鳴らし出すのを聞いた。
飛行機は、あのとおり無惨な姿になってしまったから、いくら暴れても、この島をのがれることは出来ないだろう。どうだ。和睦わぼくせぬか。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
不夜城を誇り顔の電気燈にも、霜枯れ三月みつきさびしさはのがれず、大門おおもんから水道尻すいどうじりまで、茶屋の二階に甲走かんばしッた声のさざめきも聞えぬ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
う云う時勢であるから、私はただ一身をつつしんでドウでもしてわざわいのがれさえすればいと云うことに心掛けて居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
面白くはやりし一座もたちましらけて、しきりくゆらす巻莨まきたばこの煙の、急駛きゆうしせる車の逆風むかひかぜあふらるるが、飛雲の如く窓をのがれて六郷川ろくごうがわかすむあるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
住みめば山にのがるる心安さもあるべし。鏡のうちなる狭き宇宙の小さければとて、き事の降りかかる十字のちまたに立ちて、行きう人に気を配るらさはあらず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、忽ち、秋三は安次を世話する種々な煩雑さからのがれようとしていた今迄の気持がなくなって、ただ、勘次の家を一日でも苦しめてみることに興味を持った。
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
塵の世のわづらひよりのがれ、理路のむづかしきを辿らで、のびやかなるこころは
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
友なる男は、アントニオ、物にや狂へると私語さゝやぎて、急に婦人をきつゝ、巡査スビルロ、希臘人、牧婦などにいでたちたる人の間を潛りてのがれ去りぬ。その聲を聞くに、ベルナルドオなりき。
(二)がく載籍さいせききはめてひろけれども、しん六蓺りくげいかんがふ。(三)詩書ししよ(四)けたりといへども、しかれども(五)虞夏ぐかぶんなりげうまさくらゐ(六)のがれんとするや、虞舜ぐしゆんゆづる。
「おらはただ、馬に乗って、野駆のがけに来たんだ。——後なんかけに来たんじゃないや」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ、あしたはまた、その御主人のお供で、朝から狩場めぐり、お帰りにはまた、庄内川で水馬や水泳のお稽古だろうて。——おかかおれも野駈のがけの支度だぞ。膝行袴たっつけひも草鞋わらじを見ておけよ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一瞬時なりともこの苦悩この煩悶を解脱のがれようとつとめ、ややしばらくの間というものは身動もせず息気いきをも吐かず死人の如くに成っていたが、倏忽たちまち勃然むっく跳起はねおきて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
さけのすばしりは雪前ゆきまへ河原かはらなどにある事也。かれあみにせめられ人にもはれなどして、水を飛離とびはなれて河原にのぼり、あみある所をこえて水にとび入りてあみを退のがるゝ也。
鷹野たかの野驅のがけ、遠乘りに頃合なので、代々の將軍始め、大名、旗本、諸家の留守居、若侍達に、一番人氣のあつた遊び場所でもあつたのです。