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逸
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のが
ふりがな文庫
“
逸
(
のが
)” の例文
この船を
逸
(
のが
)
したら二度と機会は来ないかもしれない。あの荒れた
乏
(
とぼ
)
しい、退屈な、長い長い日が無限につづくことを思えばたまらない。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
面白く
発
(
はや
)
りし一座も
忽
(
たちま
)
ち
白
(
しら
)
けて、
頻
(
しきり
)
に
燻
(
くゆ
)
らす
巻莨
(
まきたばこ
)
の煙の、
急駛
(
きゆうし
)
せる車の
逆風
(
むかひかぜ
)
に
扇
(
あふ
)
らるるが、飛雲の如く窓を
逸
(
のが
)
れて
六郷川
(
ろくごうがわ
)
を
掠
(
かす
)
むあるのみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
少しの機会も
逸
(
のが
)
さずに金を得る事ばかり考へて居るが、若し
怎
(
どう
)
しても夕飯に有付けぬとなると、渠は何処かの家に坐り込んで、宿の主婦の寝て了ふ十時十一時まで
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
毒婦
丹頂
(
たんちょう
)
のお鶴の妹で、
綱吉
(
つなきち
)
の
妾
(
めかけ
)
になり、
海雲寺
(
かいうんじ
)
の富籤で、一と役買って出たお勢。その後、お上の探索の手を
逸
(
のが
)
れて、しばらく姿を見せなかった不思議な美女です。
銭形平次捕物控:019 永楽銭の謎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
誇張して言ったら人かげであったかも知れない、——もう一歩、進んでいうとその北側へ
逸
(
のが
)
れた逃げ方、かげの動き方が非常にのろかったのが、松岡にもふしぎに思われた。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
ジョンソン大尉インドバハール地方で猴群に
愕
(
おどろ
)
かされてその馬騒ぎ
逸
(
のが
)
れし時、鉄砲を持ち出して短距離から一猴を
射
(
う
)
ち
中
(
あ
)
てしに、即時予に飛び掛かるごとく樹の最下枝に走り降り
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
自分のいかめしい監視を
逸
(
のが
)
れた子供は家ぢゆうのものに甘やかされて放縱そのもので育ち、今に家産も蕩盡し、手に負へない惡漢となつて諸所を漂泊した末、父親を探して來るのではあるまいか。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
“逸”を含む語句
独逸
飄逸
都々逸
逸見
逸早
逸物
逸話
安逸
逸足
逸出
逸品
逸散
獨逸
放逸
逸人
逸脱
逸駿
見逸
逸雄
逸作
...