“逸出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっしゅつ50.0%
いつしゆつ25.0%
ぬけだ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鼠と戦争をするのは覚悟の前だから何疋来てもこわくはないが、出てくる方面が明瞭でないのは不都合である。周密なる観察から得た材料を綜合そうごうして見ると鼠賊そぞく逸出いっしゅつするのには三つの行路がある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「さ候へば却而邪魔ものなるべし。」此「而」の字の中の縦線二条が右辺いうへん逸出いつしゆつしてゐる。茶山は「而」の字より横に一線を劃して一句を註した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
成程、父の厳しい性格を考へる度に、自分は反つて反対あべこべな方へ逸出ぬけだして行つて、自由自在に泣いたり笑つたりしたいやうな、其様そん思想かんがへを持つやうに成つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)