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遯
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のが
ふりがな文庫
“
遯
(
のが
)” の例文
此説は懐之に自知の明があつて、早きを
趁
(
お
)
うて責任ある地位を
遯
(
のが
)
れたものとも解せられる。わたくしは只その年月の遅速を
詳
(
つまびらか
)
にしない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
住み
倦
(
う
)
めば山に
遯
(
のが
)
るる心安さもあるべし。鏡の
裏
(
うち
)
なる狭き宇宙の小さければとて、
憂
(
う
)
き事の降りかかる十字の
街
(
ちまた
)
に立ちて、行き
交
(
か
)
う人に気を配る
辛
(
つ
)
らさはあらず。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
父が
上海
(
シャンハイ
)
に
遯
(
のが
)
れてから、瑠美子と幼い妹と弟とは、継母とその子供と一緒に、小樽の家を畳んで、葉子の町からはちょっと距離のある、継母の実家のある町に移って来た。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ゆくりなくも世を
遯
(
のが
)
れて。自得の門に三宝の
引接
(
いんぜう
)
を
希
(
こひねが
)
ひしかば。遂に念願成就して。けふ往生の素懐を
遂
(
とげ
)
なん。…………
又
(
また
)
只
(
たゞ
)
汝は畜生なれども。国に大功あるをもて。
軈
(
やが
)
て国主の
息女
(
むすめ
)
を獲たり。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
竟
(
つい
)
に
遯
(
のが
)
れ去って終るところを知らず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
遯
漢検1級
部首:⾡
15画
“遯”を含む語句
遯世
嘉遯心
肥遯的
遯去
遯吾