“遯”の読み方と例文
読み方割合
のが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此説は懐之に自知の明があつて、早きをうて責任ある地位をのがれたものとも解せられる。わたくしは只その年月の遅速をつまびらかにしない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
住みめば山にのがるる心安さもあるべし。鏡のうちなる狭き宇宙の小さければとて、き事の降りかかる十字のちまたに立ちて、行きう人に気を配るらさはあらず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
父が上海シャンハイのがれてから、瑠美子と幼い妹と弟とは、継母とその子供と一緒に、小樽の家を畳んで、葉子の町からはちょっと距離のある、継母の実家のある町に移って来た。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)