“野駈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のが50.0%
のがけ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「千駄木坂下町だね。恐しく淋しいところだ。野駈のがけに若い女でも見かけると、昼狐の化けたのと間違える」
「そうだ、あしたはまた、その御主人のお供で、朝から狩場めぐり、お帰りにはまた、庄内川で水馬や水泳のお稽古だろうて。——おかかおれも野駈のがけの支度だぞ。膝行袴たっつけひも草鞋わらじを見ておけよ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして放鷹もあまりせず、ほんの野駈のがけ程度にすまし、携帯の茶の湯道具を取り出させて野立てで一服のんだりしてすぐ帰りを命じた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中里御鳥見組頭の阿部白翁はくおうは、近年はもうお野駈のがけの供にもいて行けなかった。中風で、人と話すにも、変なしわが、顔を斜めに、絶えず横切るのである。
御鷹 (新字新仮名) / 吉川英治(著)